2030-2040年 医療の真実 熊谷頼佳著
政府は高齢化社会を高齢者に仕事をさせることによって乗り切ろうとしていますが、著者(認知症の専門医)の調べでは85歳以上の高齢者の割合は2040年まで増加し続けるそうです。そして85歳以上の要介護認定率は57.7%だそうです(2022年度の「介護保険事業状況報告」から算出)。
これで予算を増やさないとどうなるかというと、これはすでに起こっていることですが、一人暮らしで全盲かつ半身まひの人が要介護から要支援にレベルを引き下げられ亡くなってしまう(1)・・・というようなことが日常茶飯事になってしまいます。
いまでも介護施設は人手不足です。これは物価上昇しても介護業界の給料を上げないという政府の方針によります(2)。これに加えて、人手不足を外国人の導入によって補おうとしても、右翼が抵抗するという面倒な問題があります。そんなことを言ってられるような事態じゃないし、ますます事態は緊迫の一途をたどることは明らかなのにです。しかも本日右翼に支持されている政党が政権を握るという事態となりました。ただし私は高市氏は必ずしもこの問題に後ろ向きだとは思っていません。
医療や看護の世界もこの本によれば非常に厳しいものがあるようです。この世界はさすがに外国人に頼るというわけにもいきません。私は9月にある病院で手術を受けましたが、どうみても医師や看護師が昼食をとっている時間がない日があると思いました。昼抜きで午後手術というのはつらいと思います。開業医は昼休み3時間も取っているのとはえらい違いです。
特に外科医の不足はひどいらしくて、年寄に仕事をさせるといっても70歳代の外科医が手術をするというのはさすがに問題でしょう。このままだと癌の手術も半年待ちという事態になりそうです。
この本の著者も私も特にこれからのキーポイントだと思うのは、ホームヘルパーの報酬と人数を増加させるべきだということです。またこの分野への外国人の導入に躊躇すべきではありません。これによって老人も最低限の文化的生活が可能になり、憲法がかろうじて守られることにもなります。神奈川県は積極的にやっているようです(3)。
1)https://www.youtube.com/watch?v=D8RnCQerQ8g&t=48s
2)https://www.ekaigotenshoku.com/ekaigowith/2024/10/21/bukka_jyosho/
3)こちら
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