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2025年3月24日 (月)

Walk down the memory lane 15: サイモンとガーファンクル 「水曜の朝、午前3時」

Sg

Simon and Garfunkel
Wednesday Morning 3 AM (Live)

https://www.youtube.com/watch?v=PHiDVTk_8FY
https://www.youtube.com/watch?v=Mx-DPwKHbJw 

日本語訳

https://www.youtube.com/watch?v=A8cKMMpaQwM

サイモンとガーファンクルは1964~1970年に活躍したデュオですが、現在でもとても大勢の方々がカバーして Youtube などにアップしています。「Wednesday Morning 3 AM」は彼らのデビュー曲ですが、多くの人に愛されているとはいえ、サウンドオブサイレンス、明日にかける橋などにくらべると、それほど有名ではありません。なにしろさっき強盗してきた男の歌ですから。

サイモンとガーファンクルはやわらかくソフィスティケートされた美しいハーモニーで歌っていますが、ワイルドなブルーグラス風のアレンジで歌っている人たちもいて、歌詞の内容からしてそれもありだなと思います。

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ふたりで

Wednesday Morning, 3 A.M. 
Erik Benjaminsson
https://www.youtube.com/watch?v=z3fB5pmS8QQ 

Wednesday Morning, 3 A.M.
Bookends Minack Theatre
https://www.youtube.com/watch?v=oC07huLOpJY

Wednesday Morning, 3 A.M.
Moon Rambler & Johnny Parker
https://www.youtube.com/watch?v=orMXpL5Yjc4

Wednesday Morning, 3 A.M.
Agnes Eriksson Felicia Bellstrom
https://www.youtube.com/watch?v=dGv5oYYgpVs

Wednesday Morning, 3 A.M.
Jake and Dana Rohlfs
https://www.youtube.com/watch?v=lJak0I3l5S4

Wednesday Morning, 3 A.M.
Charlie Miller and Haley Seda
https://www.youtube.com/watch?v=pRwezV0xaXU

Wednesday Morning, 3 A.M.
Amelia Street
https://www.youtube.com/watch?v=4vt6J6lekJE

Wednesday Morning, 3 A.M.
Casey Wickstrom and Taylor Rae
https://www.youtube.com/watch?v=tQQ1y7A_Scg

Wednesday Morning, 3 A.M.
Anabela and Pedro Flynn
https://www.youtube.com/watch?v=RVBvolFt48A

Wednesday Morning, 3 A.M.
checkpoint:soul
https://www.youtube.com/watch?v=R_TALA62ha8

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ひとり二役

Wednesday Morning, 3 A.M.
Laura Currie
https://www.youtube.com/watch?v=MEzN9EVZypQ

Wednesday Morning, 3 A.M.
Jon Michael Swift
https://www.youtube.com/watch?v=sSZmYpvXFfA

Wednesday Morning, 3 A.M.
Yan Yansen
https://www.youtube.com/watch?v=N6P4yFcJRUc

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ひとりで

Wednesday Morning, 3 A.M.
Ivo Penders
https://www.youtube.com/watch?v=ogBimw4J8LM

Wednesday Morning, 3 A.M. *
an imaginary boy
https://www.youtube.com/watch?v=NgssQI4uEeg 

Wednesday Morning, 3 A.M.
Andrew Poirier
https://www.youtube.com/watch?v=81stlI7nM5k

Wednesday Morning, 3 A.M.
Scott Penick
https://www.youtube.com/watch?v=_WFc2aHcXJo

*I think it's nice

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Extra

April come she will 
Clémentine Dubost
https://www.youtube.com/watch?v=65e4ar1Rgtc 

April come she will
Chris Ulep
https://www.youtube.com/watch?v=c8dx4eLEc54

Kathy's song (Paul Simon)
Clémentine Dubost
https://www.youtube.com/watch?v=ONnpqVV1qc4 

 

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2025年3月22日 (土)

私の不思議ノート 3: 季節の異常

私の異常ではありませんが、地球の異常というのも困ります。地球が温暖化しているという説に異論はありませんが、なぜ北極が極端に温暖化しているのかがわかりません。しかも日本の冬は寒冷化しています。これもなぜだかわかりません。寒い冬がことさら嫌いな私のような人間はどうすればよいのでしょうか?

今年の冬ははじめての経験がかなりありました。ひとつはこんなこともあろうかと買っておいた湯たんぽを初めて使用。使いだすと手放せなくなりました。耳とボブテイルだけがついているシンプルなものです。この中身の充電ゲルを発明した人に感謝。

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このほか薄手のキルティングブルゾンを就寝専用として着て寝るというというのもはじめてでしたが、おかげで寒くて眠れない日はありませんでした。また夜に暖房器具は使わなくて済みました。とはいってもこんなにコンベクターを使ったのもはじめてです。もう20年位使っていますが故障はしません。ただコネクターは非常に脆弱で着脱には覚悟がいります。とても気まぐれで暖かい時もあれば、寒いのにいっこうに動かなくて忘れた頃に起動したりします。スイッチオン後、忘れたころに起動するのは新品の頃からです。

冬の間(昨日まで)、ヒヨドリやイソヒヨドリはベランダに来てよくパンくずを食べたり、物干しに留まって景色を眺めたり、仲良かったり悪かったりいろいろありましたが、そろそろモードが変わって行動範囲を拡大し、あまりベランダには来なくなる季節が近づいています。イソヒヨドリのオスは常にひとりで放浪しているそうですが、春にはまた数日間団地を訪問してくれるでしょうか?

 

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2025年3月20日 (木)

東京シティフィル演奏会(指揮高関xソリスト阪田)@ティアラ江東 

東京シティフィルはリハーサルを一部開放しているので、雷鳴と雪のなか昨日出かけた人もおられたそうで、彼らは本物のファンだと思います。本日は穏やかな天気で、久しぶりの住吉駅はA4のエスカレーターもピカピカの新品となって復活していてうれしい。途中に草野球場があって、そこのベンチでおにぎりを食べていると、カラスが一生懸命鳩を追っ払っていました、鳩は数が多いのでうざいのだと思います。お疲れさんと声をかけてティアラへ。

会場は今日も★完売★で盛り上がっています。

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高関さんはプレトークでベートーヴェン「皇帝協奏曲」は幸福感が肝だというお話をされて、まあそういわれるとソリストの名人阪田も心得ましたということで、そういう音楽をサラっとできてしまうのが名人たる所以です。特に第2楽章など柔らかいタッチでマシュマロみたいな演奏を聴かせてくれました。そしてさらにフルートの多久和さんが実に柔らかい音色でサポート。フルートでこんな音が出せるんだと驚きました。万雷の拍手で阪田さんのソリストアンコールもあり(ラフマニノフ)。

休憩後のくるみ割り人形がこれまた素晴らしい演奏。マエストロ高関の秘密のひとつはリズム感覚だと思います。たとえば「花のワルツ」で彼の手はぐるぐると円運動をするんです。これはブンチャッチャにならないように配慮しているのだと思います。チェレスタやハープも含めて、すべての楽器が生き生きと音を出していて大変感動しました。

終演後、外に出るとオケトラが待機していました。

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>斎藤健太君 奥様のお顔が欠けている写真をXにアップしてはいけません

 

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2025年3月18日 (火)

続・生物学茶話264:マウス脳のアトラス

私たちは左右相称動物ですが、ひとつしかない臓器もあります。代表的なのは消化管・消化管から派生した臓器・心臓・膀胱・ペニス・膣です。消化管は左右相称動物に進化する前からひとつだったと思われますが、それ以外はよくわかりません。では脳はどうでしょうか? 実はほとんど2つあると言っていいと思います。たとえば一つの出来事について記憶はひとつで良いのですが、海馬はきっちり2つあります。尾状核・被殻・淡蒼球・偏桃体・視床なども2つあります。大脳や小脳も構造を見ると実質2つあるといっていいと思います。大脳は脳梁、小脳は虫部という組織で左右がつながっている構造になっています。脳が2つあるという構造は魚類でも円口類でもはっきりしていて、さらに昆虫でも同様です。左右相称動物進化の最初期から脳があったわけではないので、なぜだかわかりませんが、この種の動物の行動様式にかかわる必然つまり収斂の結果かと思われます。

ですから脳の前後垂直断面(sagittal section)を正中線で制作すると、ほとんど空洞で主要なパーツはないということになります(図264-1、点線)。しかし困ったことに脳にはひとつしかないパーツ、たとえば脳下垂体、松果体、第3脳室などもあって、これらはすべて当然というか不都合というか真ん中にあります。このような問題があるので、説明用の脳の断面は一部パーツをずらして編集する必要があります。でなければ数枚の断面を表示しないといけません。

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図264-1 脳水平断面の正中線付近はほとんど空洞(リンパ液)

そういうわけで図264-2などは、実際とは少しずれがあるかもしれません。これはマウスの脳ですが、同じ哺乳類なのにヒトとは著しく見た目に違いがあります。しかし短い進化の期間に著しい変化も可能というのが脳という臓器の特性なのです。たとえば Gnothonemus petersii という魚は脳の体積の半分以上を小脳が占めるという、通常の魚類とはかけ離れた形態の脳を持っています(1)。一見して違うのはマウスの場合嗅覚に関係した部分が大きいことです。これはヒトの嗅覚受容体遺伝子が400種くらいなのに対して、マウスの遺伝子は1130種もあるということで(2)、においをかぐことに関してはマウスの方が圧倒的に優れていて、脳でも嗅覚関連領域が大きな部分を占めています。そのかわりヒトでは大脳皮質が巨大になっています。

嗅覚は得意ではないジャンルだといってもヒトにも嗅球が小さいながらも存在しますし、図264-2に示したすべてのマウス脳のパーツはヒトの脳にもあるので、サイズ(量)という点を除けば、それほど質的にはフレキシブルではないとも言えます。魚類の脳も延髄・橋・小脳・中脳・間脳・終脳で構成されており、嗅葉・海馬・偏桃体・大脳辺縁系も存在することがわかっていて(3)、脊椎動物の始まりの頃に主要な構成は完成されていて、あとはどのパーツが強化されたり、弱体化したりというバラエティーが生じたに過ぎないという考え方もできます。とりあえず脳は「嗅球・大脳皮質・脳梁・基底核群・海馬・視床・視床下部・中脳・小脳・橋・延髄」という11のパーツ(図264-2)に分けることができます。

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図264-2 マウス脳の垂直断面(sagittal section)

マイクロソフトの設立者のひとりでもあるポール・アレンは、2003年に1億ドルを寄付してシアトルにアレン脳科学研究所を設立し、マウスや人間の脳の切片画像を集めたアレン脳地図(Allen Brain Atlas)を制作して無料で公開しています(4)。これによって世界の脳科学者はとてつもない恩恵を受けています。

アレン脳地図は無数の切片にひとつひとつキャプションをつけた膨大なものですが、その1枚に日本語を付けたマウス脳のひとつの縦断面を図264-3に示します。ヒトの脳アトラスでは、あまりにも新皮質(大脳皮質)が巨大なために気づかないのですが、マウスのアトラス、たとえば図264-3をみると尾状核被殻・側坐核・淡蒼球・嗅結節が大きな存在感を示しています。またここでは一部しか見えていませんが、線条体も実は大きなスペースを占めています。これらの大脳基底核群はハウスキーピングな脳の機能にかかわるだけでなく、高度な機能を付加する上で重要な役割を果たしていると思われます。

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図264-3 アレンの脳アトラス(マウス脳のひとつの垂直断面)

図264-4は嗅葉から小脳にかけて少し斜め上に切った切片の模式図です。なので側坐核とか視床下部は見えていません。マウスの脳の中心が視床と中脳であることがよくわかります。また脳全体のサイズに比べて小脳のサイズが大きいことがわかります。彼らは豊かな嗅覚と優れた運動能力を武器にして生きているのでしょう。脳のどの部分が発達しているかによって、動物はそれぞれの世界観や生き方・感じ方が全く異なります。ジャネット・ジョーンズは「脳の仕組みを理解すれば、馬が思い通りに動いてくれないのも、まるで自分の心を察しているかのように動いてくれるのも、すべて脳の原則通りなのだと実感できるでしょう」と述べています(5)。

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図264-4 マウス脳の水平断面(模式図)

脳科学において核というのは中枢神経系における神経細胞の集合体を指します。図264-5はアレンのマウス脳地図(6)の1断面から視床をとりあげて、各部位の名前を付けた図ですが、ここで困るのは多くが背腹・前後・外内に「側」という接尾語をつけて名付けられていることです。どの順番になるかはわかりませんし、側をつけない場合もあります。すなわち順不同ということで、それぞれの教科書や文献によって名前がバラバラで略号も統一されていません。学術用語がこんなにいい加減なのは珍しいことです。その場その場で文献の定義にしたがって判断するしかありません。また図263-5についていえば、これは1断面なので見えていない部分もあります。

視床は感覚器官・大脳基底核・大脳皮質などをつなぐ中継部位であり、脳が高度の機能を持つにしたがってその配電盤としての機能は複雑になり重要さは増すことになります。視床各部位の機能は種によっても大きく異なります。たとえば前頭前野を持たない馬のような生物では前頭前野へ投射する、および前頭前野から投射する部位は無いはずです。

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図264-5 アレンのマウス脳アトラスから視床付近の垂直断面

ヒトの脳は言語・科学・芸術を行う上で圧倒的に秀でていますが(残念ながら政治を行うにはまだまだです)、道を歩いていて周りに何があるかには鈍感で気が付かないことが多いですし(5)、嗅覚は貧弱、身体能力も貧弱、視野は前方のみ、磁場感覚もありません(多くの哺乳類も磁場感覚を持っていることが分かっています、7)。ジャネット・ジョーンズによると、ヒトは道を歩くときその目的にとらわれて、周囲に何があるか見逃すことが多いそうですが、私もその経験があります。笛吹川の東沢を歩いて西沢渓谷へ行く道を探していたところ、はっと気が付くと周りで多数のマムシが河原の石の上で休んでいました。噛みつかれたら死んでいたかもしれません。これが人間の脳の弱点の一つです。

動物はそれぞれ特徴のある脳を持っていて、それぞれの感覚でそれぞれの脳世界で生きています。それをよく理解しながら共存していく道をさぐるのも科学そして政治の役割だと思います。

参照

1)続・生物学茶話214: 弱電魚の小脳
https://morph.way-nifty.com/grey/2023/06/post-2c8c8e.html

2)生命科学DOKIDOKI研究室 第13話 味覚の進化を探る
https://www.terumozaidan.or.jp/labo/manga/13/report.html

3)m's Academe 魚の脳
http://m-ac.jp/living_being/animal/chordates/vertebrates/fish/brain/index_j.phtml

4)ALLEN BRAIN MAP Accelerating progress toward understanding the brain.
https://portal.brain-map.org/#

5)島田明宏 熱視線 馬と人間の脳の違いが面白い
https://news.sp.netkeiba.com/?pid=column_view&cid=50756

6)ALLEN BRAIN MAP
https://atlas.brain-map.org/atlas?atlas=2#atlas=2&structure=596&resolution=9.31&x=7767.999945746527&y=4023.9999728732637&zoom=-3&plate=100883869

7)「渡り鳥」の磁場感覚、哺乳類にも存在すると判明
https://wired.jp/2016/02/26/magnetic-field-perception-dog-eyes/

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2025年3月16日 (日)

Erratum: ベティはひよどりじゃなかった

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毎日ベランダに遊びに来てくれるベティですが、専門家に訊いてみると、どうもヒヨドリじゃなくてイソヒヨドリのメスらしいことがわかりました。すみません。お詫びして訂正します。

ここからは言い訳なんですが、なにしろ永年にわたってヒヨドリ(ジョージI世、Ⅱ世、Ⅲ世)がきてくれていたので、つい確認をおこたったわけです。それでもどうも変だなと思っていたんですが、友人が上記のように指摘してくれました。

イソヒヨドリは単独行動でつがいも距離をとるそうですが、オスと一緒にいるのをみたことがありません。オスは大変美しい「幸せの青い鳥」で(*)、つがいで行動していれば一発でわかるのですが・・・。

ベティはヒヨドリたちと、つかず離れずで行動しているようです。キャラ的にはヒヨドリを陽性とすると、イソヒヨドリはつつましくひそやかな陰性の鳥のようです。

*渋めのダージリンはいかが 幸せの青い鳥が団地を訪問
https://morph.way-nifty.com/grey/2024/03/post-74fad0.html


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2025年3月13日 (木)

私の不思議ノート 2: 配電盤と幻聴

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昨夜 夜中に起きて廊下を歩いたときに、久しぶりに電話のベルの幻聴がありました。

実は昨年の6月から12月まで、配電盤の下を通ると、必ずと言っていいくらい電話のベルの音が聞こえていたのです。これは意識して「鳴るぞ鳴るぞ」と身構えて通過すると聞こえません。無意識に通過したときだけ聞こえます。幻聴というのはありふれた病気ですが(1)、あることを契機として聞こえる、まして電磁波の影響でおこるというのはそうはないでしょう。ただ今年になってからはすっかり聞こえなくなり、昨夜めずらしく再現したというわけです。

自分自身が実験動物となって、人間にもテレパシーの能力があることを証明したようなものです。ある種の魚類にテレパシーの能力があることは、最初に東京医科歯科大学の研究者たちが報告し(2)、その後多くの研究者によってメカニズムも解析されて、広く認められています(3)。

ストレスを強く感じているときにはこの能力が高進し、軽減されると失われるというのは、大脳基底核や扁桃体が何らかのメカニズムで配電盤からの電磁波を感知して活性化されるものと思われますが、もちろんメカニズムはわかりません。

1)精神科医が解説!幻聴の正体と対処法
https://www.toyoda-clinic.jp/columns/auditory-hallucination/ 

2)Akira Watanabe and Kimihisa Takeda, The change of discharge frequency by A.C. stimulus in a weak electric fish., J. Exp. Biol., vol.40, pp.57-66 (1963)
https://doi.org/10.1242/jeb.40.1.57.
https://journals.biologists.com/jeb/article/40/1/57/20904/The-Change-of-Discharge-Frequency-by-A-C-Stimulus 

3)続・生物学茶話214: 弱電魚の小脳
https://morph.way-nifty.com/grey/2023/06/post-2c8c8e.html 

 

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2025年3月11日 (火)

感想戦 3月11日のマーラー

昨日NHK 「感想戦 3月11日のマーラー」(1)を見て、あの日々のことがまざまざと蘇りました。それにしても新日本フィルが、当日演奏された ダニエル・ハーディング指揮 新日本フィルハーモニー交響楽団演奏 グスタフ・マーラー交響曲第5番の映像や音声を持っていることを知って驚きました。発売してくれというのは不謹慎なのでしょうか? この番組を放映したのであれば、NHKが買い取って発売することも可能なのではないかと思います。どんなに熟練した演奏者でも2度とできない演奏に違いありません。

当日私がいた建物は屋上にあった消火用の水槽が壊れて洪水になり、滝のように水が流れる中を、私は止まったエスカレーターを使って3Fから降りてきました。地上ではヘアーサロンのお客さんたちがエプロンをかけたまま外にでてきていました。

翌朝イオンに行ってみると、棚にはなにもありませんでした。この時のショックは今でも忘れません。

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ペット用の食料もなかったので、やむなく関西に疎開させることにしましたが、スタンドがすごいことになっていてとてもガソリンを補給できるような状況ではありません。幸い足柄くらいまではいけるんじゃないかという量はあったので出発したのですが、予定通り東京を出るとガソリンも補給可能でなんとか関西にたどり着きました。神戸はどこのホテルも満員でしたが、幸い実家があったので疎開できました。私はどうしてもやらなければならない仕事があったので新幹線でもどりましたが、疎開する列車が満員なのにたいして、東京行の列車はほとんど誰も乗っていないのには驚きました。

当時メルトダウンなんてあり得ないなどとテレビ言っていた原発専門家たちがその後も生き残り、今また原発が国家の基幹エネルギーソースになろうとしているのは、なんという怠慢なのでしょうか。今の数十倍くらいマグマ発電に注力すべきだと思います。原発をやっていると、常に冷やしておかないといけない使用済み核燃料が全国にどんどん積み上げられ、これを捨てる場所もありません。どんなに防衛力を増強しても、超音速ミサイルで原発を破壊されたら、核兵器なんて使わなくても数分で日本に住める場所はなくなります。

1)https://www.nhk.jp/p/ts/EJZ4WJP433/

参照 ダニエル・ハーディングと3.11
渋めのダージリンはいかが 3月11日のマーラー
https://morph.way-nifty.com/grey/2012/03/post-55fe.html

Daniel Harding, Winner Philharmoniker
Mahler Symphony no.5
https://www.youtube.com/watch?v=HZjFSUYZSlI

 

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2025年3月 9日 (日)

ヴェルディ・レクイエム@初台オペラシティ by 高関・東京シティフィル 

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諸般の事情で免許を返上してから交通手段がコミュニティバスとなり(時刻表はまるで交通手段を提供していますよというアリバイつくりのようにまばら)、タクシーも土日と深夜はほとんどいないので、コンサート通いも特に酷寒の日ともなれば難行苦行になります。しかし東京シティフィルがベルディ・レクイエムを演奏するとなれば、久しぶりに重い腰を上げざるを得ません。

チケットはソールドアウトで開演前から初台オペラシティには熱気が充満していました。マエストロ高関は端正かつ力強い演奏を構築し、シティフィルコーアも見事に盛り上げてくれました。怒りの日のトランペット・バンダ隊は舞台後ろの閉鎖された客席左右に二人づつ。これは違和感ありましたね。やっぱり4人並ばないといけません。

ソリストの加納さんと青山さんはこのレクイエムにふさわしい名唱でしたが、ソプラノの中江さんとテノールの笛田さんはもう宗教音楽を逸脱した圧倒的な迫力でホール全体を支配していました。このふたりでブリュンヒルデとジークフリートを演じて「指輪」の日本人公演ができるんじゃないかと思いました。特に最後のリベラ・メは盛り上がりました。ブラボー高関&東京シティフィル。

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終演後

左端はコンマス荒井英治さん マエストロ高関の右は

青山さん(Br)、笛田さん(T)、加納さん(Ms)、中江さん(S) 

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指揮者アンコール

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中江早希さん(本人のXより)

 

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2025年3月 7日 (金)

続・生物学茶話263:半索動物の神経系

生物学でいう動物を大きく分けると、前口動物・後口動物・口と肛門の区別がない動物の3つのグループになります。ヒトは後口動物(新口動物ともいう)のグループにはいります(図263-1)。前口動物(旧口動物ともいう)のグループには万単位の種が存在する節足動物門をはじめとして非常に多くの門が所属しますが、後口動物に含まれるのは脊索動物・半索動物・棘皮動物の3つの門しかありません。これらの門がいつ分岐したかは先カンブリア時代のことなので謎のままです。

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図263-1 後口動物の系統樹

このなかでもギボシムシとナメクジウオはかなり後口動物共通祖先の特徴を残した動物と考えられています。特にギボシムシはヒトでいえば脊髄神経に相当する神経索が背側と腹側にあるという特殊な生物で、背側にある後口動物と腹側にある前口動物の中間に位置する特徴を持つという点で、後口動物と前口動物の分岐点となる生物に近いという可能性を感じさせます(1)。ただし半索動物と呼ばれる要因となった口盲管(ストモコード)は脊索と相同ではないという指摘もあります(2)。

ギボシムシの形態や臓器は田川が公開してくれているので図263-2にお借りしました(3)。最も近い棘皮動物門の生物とは大きく異なりますが、幼生(トルナリア)はかなり似ています。さらに軟体動物の幼生(トロコフォア)とも似ています(4)。棘皮動物は変態するときに五放射相称になるので、後口動物の本来の形とはかけ離れた形態となります。しかし2015年にギボシムシの全ゲノム配列が解明されて、形態的にはかけ離れているように見える棘皮動物と実は近縁であることが明らかになりました(5,6)。

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図263-2 ギボシムシの形態

ギボシムシに近いと思われる生物の化石がカンブリア紀の地層からみつかっています。その名前はユンナノゾーン(雲南の虫)。脊索動物の起源的動物という説もありますが、D.Shuらは半索動物としています(7)。そうではなかったにしてもギボシムシの祖先はカンブリア紀にも生きていたのでしょう。彼らはおそらく武器も防具も俊敏性も持たなかったので、吻という海底に穴を掘る道具を獲得して生き延びたのでしょう(図263-2)。

のどから袋状の口盲管(ストモコード)が伸びているのは半索動物の特徴ですが、これの機能は未知です。吻の主要な目的は穴を掘ることなので、強力な筋肉が存在します。さらに吻の内部にはヒトでいえば糸球体のような脈球があり、また心臓に相当する心胞があります。襟部には下に口があり、明らかに上下が識別できる左右相称動物です。口に続いて咽頭があり、ここから口盲管が吻にのびています。体幹部には中心に消化管があり、外から消化管につながる鰓裂があります。鰓裂があることが後口動物のアイデンティティーです。体幹にはその

ロペスらは主に in situ hybridization の手法を用いて神経マーカーの遺伝子発現を観察し、ギボシムシの神経系について詳しい調査を行いました(8)。まず汎神経マーカーの Elav の発現を3鰓裂期の幼生でみたところ、吻(proboscis)・襟(collar)・体幹(trunk) を通して背側中央に神経索があり、体幹には腹側にも神経索があることがわかりました(図263-3)。また吻の最後部皮膚近傍にはかなり神経細胞の密度が濃い領域がありました(図263-3 O、N)。

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図263-3 Elav marker によるギボシムシ神経の探索

次にカテコールアミン(ドーパミン、ノルアドレナリン、アドレナリン)のマーカーであるチロシンハイドロキシラーゼの発現をみると、吻の前部と最後部、襟の前部、体幹最前部に強い発現が見られます(図263-4B・B’)。この図は生体のものですが幼生でもほぼ同じです。特に襟の前部にあるリング状の発現は顕著で、この付近にカテコールアミン系の神経細胞が集中し、散在神経系から逸脱しつつある神経システムの存在を示しています。

私が特に目を見張ったのはヒスタミンのマーカーであるヒスチジンデカルボキシラーゼの局在で、非常に明快な局在が吻後部および腹部神経索にみられます(図263-4E’)。ヒスタミナージックなニューロンはヒトでは脳の乳頭体に局在し、脳のほとんどの部位に投射して強い影響力を持っています。また胃はヒスタミンによって胃酸分泌をうながされます(9)。私たちの神経機能とも何らかのつながりがあるかもしれません。

襟前部の中抜き△の染色をよく見るとダブルになっています。これで思い出すのはクラゲの傘の円環神経系です。なんらかのつながりがあるのでしょうか?

グルタミン酸デカルボキシラーゼはGABA系ニューロンのマーカーは幼生のステージが進むほどはっきりとした局在を示します。図263-4G’は3鰓裂期のステージですが、吻の最前部と最後部、襟の最前部に局在がみられます。また発現している細胞の数が少ないので見にくいですが背側神経索とのどの後部にも染色がみられます(図263-4G’)。

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図263-4 神経伝達物質マーカーの発現

ロペスらは神経ペプチドのマーカーについても調べています。その一部を図263-5で紹介します。汎マーカーであるPC2(prohormone convertase 2)やGPC(glutaminyl-peptide cyclotransferase)の発現が吻後部や襟前部にみられることは、神経伝達物質の分布とも考えあわせると、この領域がこの生物では神経によるコントロールセンターの役割を果たしていることを示唆しています(図263-5D’E’)。

さまざまな神経ペプチドが特異的な発現を示していることは、まだそれぞれの意味はわかりませんが興味深く感じられます。図263-5F’ のVLamide は、本文ではVIamide となっていて、どちらかがエラーだと思いますが、分布は非常に特異的で吻の特定の部域にしか発現していません。これはなにをやっているのでしょうか? 

Luqin は脊椎動物では失われた神経伝達物質ですが、ギボシムシでは立派に発現しています(図263-5G’)。NNFアミドは吻だけで発現しています。GnRH(ゴナドトロピン放出ホルモン)は背側神経索には全く発現が見られないにもかかわらず、腹側神経索では盛大に発現しているという興味深い特異性が観察されています(図263-5L)。

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図263-5 神経ペプチドの発現

これまで使ってきたマーカーよりさらに特異性が少ない汎用マーカーとして、シナプスによる伝達を行う細胞には必ずあるはずのシナプトタグミンのモノクローナル抗体を使った、3鰓裂期ギボシムシ免疫組織化学の結果が図263-6A~Eです。意外にも吻における神経細胞の密度が高いことがわかります。吻の内部では軸索が前に向かって伸び、辺縁部では外側に向かって伸びているように見えます。

図263-6Aとセロトニンの発現(図283-6、5HT)を比較すると、セロトニンは襟にダブルのリングそして体幹の最前部と腹側神経索の前半分に濃厚に発現することがわかります。腹側神経索と背側のセロトニン発現細胞は連結しています5HT-E。拡大図をご覧になりたい方は原著をみてください(8)。セロトニンは私たちの腸管蠕動運動にかかわっています。ギボシムシでも同じ機能があるとすればまさしく伝統の機能と言えます。ただ体幹の前半にだけ集中していることが気になりますが。

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図263-6 シナプトタグミン抗体を用いた全神経の可視化とセロトニン

ロペスらの研究結果を見て私が感じるのは、ギボシムシの祖先はカンブリア紀からはじまった弱肉強食の世界を「吻」という新機軸に大量の神経と筋肉を投入することによって土遁術を身に着け、海底砂泥の中で生活することによって生き延びて現在に至っているのだろうということです。脊索動物は泳ぐことに集中したのに対し、ギボシムシの祖先は這うという生き方を一度も捨てなかったため、腹部神経索が現在まで保存されているのでしょう。川島らは様々な生物のゲノムを比較した結果、後口動物の祖先はギボシムシのような生物だったとまで言っています(11)。

 

参照

1)続・生物学茶話162:半索動物における神経誘導
https://morph.way-nifty.com/grey/2021/10/post-d2946f.html

2)Noriyuki Satoh, Kunifumi Tagawa, Christopher J. Lowe, Jr-Kai Yu, Takeshi Kawashima, Hiroki Takahashi, Michio Ogasawara, Marc Kirschner, Kanako Hisata, Yi-Hsien Su, John Gerhart,On a possible evolutionary link of the stomochord of hemichordates to pharyngeal organs of chordates., Genesis vol.52, issue 12, pp.925-934 (2014)
https://doi.org/10.1002/dvg.22831
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1002/dvg.22831

3)田川訓史 ギボシムシ海砂泥地に潜む面白い新口動物群 Kagaku to Seibutsu vol.55(5): pp.308-310 (2017)
https://katosei.jsbba.or.jp/view_html.php?aid=782

4)ウィキペディア:プランクトスフェラ
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%97%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%82%AF%E3%83%88%E3%82%B9%E3%83%95%E3%82%A7%E3%83%A9

5)Oleg Simakov et al., Hemichordate genomes and deuterostome origins., Nature vol.527, pp.459-465 (2015)
https://www.nature.com/articles/nature16150

6)私たちの遠い祖先の謎が明らかに!
https://www.hiroshima-u.ac.jp/koho_press/press/2015/2015_083_2

7)Shu, D., Zhang, X. & Chen, L. Reinterpretation of Yunnanozoon as the earliest known hemichordate. Nature vol.380, pp.428-430 (1996).
https://doi.org/10.1038/380428a0
https://www.nature.com/articles/380428a0

8)Jose M. Andrade Lopez, Ariel M. Pani, Mike Wu, John Gerhart, Christopher
J. Lowe, Molecular characterization of nervous system organization in the hemichordate acorn worm Saccoglossus kowalevskii., PLoS Biol vol.21(9): e3002242. (2023)
https://doi.org/10.1371/journal.pbio.3002242
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/37725784/

9)脳科学辞典:ヒスタミン
https://bsd.neuroinf.jp/wiki/%E3%83%92%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%83%9F%E3%83%B3

10) Luis Alfonso Yanez-Guerra and Maurice R. Elphick, Evolution and Comparative Physiology of Luqin-Type Neuropeptide Signaling., Front. Neurosci., vol.14, (2020)
https://doi.org/10.3389/fnins.2020.00130
https://www.frontiersin.org/journals/neuroscience/articles/10.3389/fnins.2020.00130/full

11)川島武士 et al., ギボシムシのゲノムから考察する新口動物の起源
DOI: 10.7875/first.author.2015.117
http://first.lifesciencedb.jp/archives/11802


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2025年3月 2日 (日)

私の不思議ノート 1:  ベッドからダイブ

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最近私は脳も体も疲弊していて、アルツもあることですし、何が起こるかわかりません。一応変なことが起こったら記録しておこうと思いますが、誰も興味がわかないことでしょうから気にしないでください。ミーナ お前は一応聞くよな💦

私は前の車をなぜか追跡していたのですが、その車がある場所で急停止したと思ったら、全速力でバックしてきたのです。私はあわてて全力で横っ飛びで地面にダイブしました。

で そこで目が覚めたら、私は全力でベッドから転落したらしく、でも幸運なことに布団と毛布をしっかりかかえたままダイブしたため、うつ伏せで下に毛布と布団がある状態でした。おかげで脛を少しすりむいたくらいですみました。体の下に布団があるということは、転落したのではなく、しっかり布団と毛布を抱えて180度回転する形でダイブしたのです。これはさすがに自分史上はじめてのことでした。

なぜ追跡していたかは理由があることは覚えているのですが、どうしてもその理由を思い出せません。全く寝覚めの悪い話です。これで思い出したのは風邪薬タミフルでマンションなどから転落する事件が相次いだことです。そのときはきっとこんな感じだったんだなと理解できました。私はタミフルやリレンザを服用していたわけではないのですが、別の夢を見ていたらベランダからダイブしていたかもしれないので、くわばら・くわばらです。

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日経メディカル(引用):抗インフルエンザ薬が処方された20歳未満の患者700例以上を対象に行ったアンケート調査で、異常行動はタミフルが処方された群(10歳未満)、リレンザが処方された群とも約15%で認められ、全体の80%以上は睡眠時または覚醒直後に発生していたことが分かった。
https://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/special/flu/topics/201310/533019.html

 

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2025年3月 1日 (土)

ユリカモメ

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上野公園のユリカモメです。

ユリカモメはカモメ科で学名は Chroicocephalus ridibundus

都鳥と呼ばれることもありますが、ほんとのミヤコドリはミヤコドリ科の Haematopus ostralegus


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ほんとのミヤコドリ from wikipedia

東京都の鳥はユリカモメの方です。どうしてほんとのミヤコドリにしなかったのでしょう?

うちにくるベティ(ひよどり)とはお互いに個体認識ができる(私の方は怪しいですが、ベティは多分正確)くらいには親しくなりました。

この人はすごい ⤵

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