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2025年2月 8日 (土)

逆さであること

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ミーナは逆さの私を認識できるのでしょうか?

逆さと言えば「サカサクラゲ」を思い浮かべます。クラゲは生物学では刺胞動物といいますが、私たちとは最も体の構造が異なる生物群のひとつです。なにしろ脳の相当する神経細胞の集合体が、まるでダブルサークルのシーリングライトみたいな構造になっています。

サカサクラゲはその中でも変わり者で、学名はなんとカシオペア・アンドロメダという天空の名前です。傘を下にして逆さの状態で生きています。まあコウモリみたいなのもいるので、彼らだけというわけではありませんが。

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サカサクラゲが逆さなのにはわけがあって、触手の周りに藻類を飼っていて、藻類に光合成をさせてそのエネルギーをもらって生きているので、藻類が太陽の光を受けやすいように逆さになっているそうです。これはある意味究極の進化です。これができれば餌を探さなくてよいので一生遊んで暮らすことができます。泳ぐ必要がないのでエネルギーもあまりいりません。たまに泳ぐときには傘を上にして泳ぎます。

クラゲの刺胞は餌に毒を注入して食べやすくするためにあるのですが、サカサクラゲは餌はいらないので刺胞はないのかというと、なんと彼らは自分たちの安楽な生活を脅かす敵を追い払うために、毒針を周りにまき散らすというエグい武器として使っているようです。

クラゲに比べるとタコはずっと私たちと近い生物です。特に眼は私たちとそっくりで、私たちより優れている部分もあります。

Beatles: Octopus garden
https://www.youtube.com/watch?v=A7coEcXjd7Q 

Cover: Reina del Cid, Toni Lindgren, and Travis Worth
https://www.youtube.com/watch?v=A9U0g-5r4P0 

 

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2025年2月 7日 (金)

石破政権 多子世帯への就学支援策を策定

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すごいニュースが入ってきました。

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政府は7日の閣議で、3人以上の子どもがいる多子世帯について大学授業料を無償化するなどとした大学等修学支援法改正案を決定した。今国会に提出し、成立すれば4月から施行する。所得制限を撤廃することで、支援対象は約41万人になる見通し。

対象となるのは、扶養する子が3人以上で、大学、短大、高専、専門学校に通う学生がいる世帯。支援の上限額は、年間の授業料については国公立大が54万円、私立大が70万円。入学金は国公立大28万円、私立大26万円とした。これにより、授業料と入学金の家計負担が国公立は原則ゼロとなり、私立も大幅に減少する。 

【時事通信社】
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私ははるか昔からこのブログで、「少子化を克服するには多子家庭を差別的に優遇しなければならない」と言ってきましたが、わが国が崩壊の瀬戸際に追い詰められて政府がようやく重い腰を上げました。本来なら30年前からやっておくべき政策とはいえ、これは石破政権の大ヒットだと思います。野党も協力してこの法案を成立させるべきです。さらに子供3人以上の家庭は食料品の消費税をゼロにするべきです。そうするだけで、ひょっとすると出生率が大幅に上昇するかもしれません。

さらに会社には社宅や社員寮があり、役所には公務員宿舎があり、大学には学生寮があるのが当たり前の社会に戻すことができれば、人口は+に転じるに違いありません。ちなみに私が学生だった頃には、某銀行の青山の社宅(5LDK)に家庭教師のバイトで毎週お邪魔していました。

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2025年2月 6日 (木)

ヒヨドリのベティ

うちのベランダには2022年まで長い間ずっと、冬になるとヒヨドリが遊びに来ていました。ジョージI世~ジョージⅢ世と名付けていましたが、おそらく親子で3代にわたって文化が伝承されていたと思います。

https://morph.way-nifty.com/grey/2022/02/post-26685e.html

ところが2023年の長期修繕で建物全体がメッシュで覆われてしまい、せっかくの伝承が破壊されてしまいました。それで2024年の冬には全くヒヨドリをみかけることはなくなりました。

とことが2025年になって、なぜか毎日またみかけるようになりました。2022年までは雄主導で、ときどき雌をつれてくるかんじでしたが、今年はどうも主に雌が来ていて、ときどき雄もつきあっているといるという風に見えます。雄雌は生物学的には判定できていないので推測にすぎませんが、とりあえずベティと名付けました。ベティは頭の毛が全く立っておらず、ヒヨドリらしい顔貌ではありません。

ベティとはまだ網戸越しにしか対面していませんが(写真がぼけているのはそのせい)、こちらを正面向いてじっと見ていることもありますし、口笛で多少のコミュニケーションはできていると思います。

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2025年2月 3日 (月)

続・生物学茶話260:筋層間神経叢のストライプ構造

解剖学は医学・生物学の基本ですが、その教科書はほとんどの内容が昔から知られていることというカビ臭いものです。しかし神経の配列はその中で例外的に知られてないことがまだまだ存在するというめずらしい領域です。腸管神経の構造もそのひとつで、2021年にパリ大学のシュヴァリエらのグループが腸管筋・筋層間神経叢(アウエルバッハ神経叢)のマクロな配列が、ニワトリではハニカム構造で、マウスでは格子構造であることを発表してから注目されるようになりました(1、図260-1、図260-2)。

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図260-1 筋層間神経叢の特殊な配列を解明した研究者たち

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図260-2 ニワトリとマウスの違い

スタンフォード大学のハムネットらは特に、マウスの腸管筋・筋層間神経叢が腸管が伸びている方向と垂直な方向にガングリオンが整列し縞模様を形成していることに注目しました(図260-1、図260-3、2)。シュバリエらも同じものを見ていたはずなのですが、このストライプ構造に気が付きませんでした。ミクロに見ているとわかりにくいのですが、ハムネットらは広い領域にわたって免疫組織化学による観察を行い、小腸及び大腸の全域にわたってあまねくガングリオンのつながりがストライプ構造になっていることに気が付きました。これは筋層間神経叢に限って見られる現象で、粘膜下神経叢(マイスナー神経叢)ではガングリオンの分布はランダムで、ストライプ構造は見られません(2、図260-3)。

盲腸に近い一部の大腸(proximal colon)では、ストライプが強く斜めに傾いている部分があります(図260-3D)。それでも類似する非連続性構造が存在することには変わりがありません。

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図260-3 マウス筋層間神経叢はストライプ構造をとる

ハムネットらはさらに発生のいつの時期からこのようなストライプ構造ができてくるのかをマウスで調べました。その結果小腸では胎生14日目(E14.5)ではまだランダムですが、16日目(E16.5)になるとストライプ構造が形成されてくること、大腸では16日目ではまだランダムですが、18日目にはストライプ構造が形成されてくることなどが明らかになりました(図260-4)。これはストライプの間にある細胞がプログラム細胞死したためではないという研究結果も得ました(2)。出生後は小腸・大腸ともに急速に伸長するので、それに伴って神経節同士の距離は拡大し、それはストライプの幅が拡大するという形で現れます(図260-4)。

ハムネットらが所属するスタンフォード大学の神経外科研究室では、引き続きヒトについても研究を行い、マウスと同様ヒト胎生期において小腸でも大腸でも筋層間神経叢のストライプ構造が形成されることが確認されました(3)。ヒトの場合小腸では胎生14週目、大腸では胎生21週目くらいにストライプが形成されます(3)。マウスでもヒトでも小腸に比べて大腸の整列は遅れるので、ストライプ化の情報は前→後の方向に伝搬するものと思われます。

粘膜下神経叢ではこのようなストライプはみられないことから、ストライプはおそらく腸管筋の収縮にかかわっていることが予想されます。弱いシグナルがメリハリなく移動するより、同期によって強いシグナルが飛び飛びに発生しながら移動する方が腸の筋収縮には有利だと思われます。ストライプと言うのは2次元的な表現ですが、3次元的に言えば、腸管を中心として円盤が重なっているイメージになります。

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図260-4 筋層間神経叢のストライプ構造は胎仔のうちに用意される

ストライプということで生物学者がすぐ思い浮かべるのはペアルール遺伝子でしょう。この遺伝子はショウジョウバエでみつかりましたが、体にストライプすなわち3Dでは円盤状の遺伝子発現をABABABというかたちで交互に行うことができます(4)。このようなホメオティック遺伝子はほとんどの生物が持っており、私たちの背骨もこの種の遺伝子によって各椎骨が正確に配置され(椎骨・椎間板・椎骨・椎間板というABAB構造)、末梢神経もそれにしたがって配置されます。したがって神経叢のストライプ構造もホメオティック系の遺伝子がかかわっているのではないかと予想されます。

先天的な神経叢の不良形成によって消化管の蠕動運動がうまくいかなくなるヒルシュプルング病という腸の病気があり、重篤な場合指定難病となっています(5)。ダーショウィッツとカルシュミットはこの病気が従来考えられていたような神経細胞が減少するだけでなく配置・ストライプ形成がうまくいかないために腸管筋の収縮に支障をきたす場合があるのではないかという仮説をたてました(図260-5、6)。

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図260-5 ヒルシュプルング病の新しいモデル

実際にHOX11遺伝子の欠損により筋層間神経叢がうまくできないという報告があります(7)。 また RET遺伝子(チロシンキナーゼ活性を持つ受容体をコードする)とIHH遺伝子(インディアンヘッジホッグ)の両者に変異があり、ヒルシュプルング病または慢性の便秘患者を生ずる家系が報告されています(8)。IHH遺伝子をノックアウトしたマウスでは腸管神経叢のパターニングに異常が発生するという報告もあります(9)。

参照

1) Nicolas R. Chevalier, Richard J. Amedzrovi Agbesi, Richard J. Amedzrovi Agbesi, Yanis Ammouche, Sylvie Dufour, How Smooth Muscle Contractions Shape the Developing Enteric Nervous System., Front. Cell Dev. Biol., vol.9, article 678975 (2021)
https://doi.org/10.3389/fcell.2021.678975
https://www.frontiersin.org/journals/cell-and-developmental-biology/articles/10.3389/fcell.2021.678975/full

2)Hamnett R, Dershowitz LB, Sampathkumar V, Wang Z, Gomez-Frittelli J, De Andrade V, Kasthuri N, Druckmann S, Kaltschmidt JA., Regional cytoarchitecture of the adult and developing mouse enteric nervous system., Curr Biol. vol.32(20): pp.4483-4492. (2022)
doi: 10.1016/j.cub.2022.08.030.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/36070775/

3)Dershowitz, L.B., Li, L., Pasca, A.M. et al. Anatomical and functional maturation of the mid-gestation human enteric nervous system. Nat Commun vol.14, no.2680 (2023).
https://doi.org/10.1038/s41467-023-38293-z
https://www.nature.com/articles/s41467-023-38293-z

4)wikipedia: pair-rule gene
https://en.wikipedia.org/wiki/Pair-rule_gene

5)難病情報センター ヒルシュスプルング病(全結腸型又は小腸型)(指定難病291)
https://www.nanbyou.or.jp/entry/4699

6)Lori B. Dershowitz and Julia A. Kaltschmidt, Enteric Nervous System Striped Patterning and Disease: Unexplored Pathophysiology, Cell Mol Gastroenterol Hepatol., vol.18, no.2, no.191332 (2024)
doi: 10.1016/j.jcmgh.2024.03.004.
https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC11176954/

7)Shirasawa S., Yunker AMR, Roth, KA. et al., Enx(HOX11L1)-deficient mice develop myenteric neuronal heperplasia and megacolon., Nature Med., vol.3, pp.646-650 (1997)
doi: 10.1038/nm0697-646.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/9176491/

8) Sribudiani Y, Chauhan RK, Alves MM, et al., Identification of variants in RET and IHH pathway members in a large family with history of Hirschsprung disease. Gastroenterology vol.155: pp.118–129. (2018)
DOI: 10.1053/j.gastro.2018.03.034
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/29601828/

9) Ramalho-Santos M, Melton DA, McMahon AP. Hedgehog signals regulate multiple aspects of gastrointestinal development. Development vol.127: pp.2763–2772 (2000)
DOI: 10.1242/dev.127.12.2763
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/10821773/

 

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2025年2月 1日 (土)

Walk down the memory lane 14: darcy117117

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Sarah and Mina(calico) on the comforter.
ミーナの肩を抱くサラ

darcy117117って、117117はまあ「いいないいな」だろうとは思いますが、darcy がわかりません。

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画像は多分猫の祭壇で、骨壺もみえます。私の家にもこの種のものがあります。こういうちょっぴりハスキーで沈潜するアルトシンガーが最近はあまり見当たらない気がします。

The movie is probabpy a kind of the altar for her cats. There is a similar one also in my house. Her alto voice is slightly husky and has a feeling of grief.

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雨の街を 荒井由実

ユーミンが自分が制作した曲の中で最も気に入っているそうです。
It'a a rainy early morning. I walk down the street of silent city. The street lights are turned off one by one. Now, I feel I can walk to the far distance if someone may embrace my shoulders.

https://www.youtube.com/watch?v=fQk_UmIaDCw

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ためらい 増田恵子

中年にならないとわからない曲
A song for an affair of middle-aged lovers.

https://www.youtube.com/watch?v=MYug_NkrJyA

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鳥になって 中島みゆき

自殺をテーマにした曲
The theme of this song is the suicide

https://www.youtube.com/watch?v=AkgEVwtVINA

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黄昏のビギン 水原弘

ちあきなおみの曲だと思っていたら、オリジナルは水原弘
A love song in the age just after the world war II.

https://www.youtube.com/watch?v=c9AELpwjy_M

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涙そうそう BEGIN

Memories for the dead.

https://www.youtube.com/watch?v=cQpwzIpQYnI

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家族写真 森山良子

An old photograph of the family, with a cat movie.

https://www.youtube.com/watch?v=CgHMNu6lzmw

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わが麗しき恋物語 バルバラ

A song of a French singer, Barbara.
"Ma plus belle histoire d'amour"

https://www.youtube.com/watch?v=b9d9mjFkybQ

 

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