昔の自分に出会う
なぜか急に部屋の模様がえをしたくなって、絨毯を取り替える決断をしました。そのためには上に置いてあるものをすべてどかさなくてはなりません。それであちこち掃除していると、古い原稿などがでてきて捨てようかどうしようかと迷っていると、作業がはかどりません。
そんなこんなで渋滞するなか、突然30年以上前の私に出会ってなんだか懐かしい気持になりました。当時私は赤血球の培養をやっていて、エリスロポエチンもクローニングされていましたし、献血などしなくてもジャンジャン赤血球を製造できるようになると信じていましたが、実際やってみると赤血球はなかなか気難しい細胞でうまく培養できず、結局断念したという苦い思い出があります。
現在でも輸血は献血に依存しているので、結局培養はうまくいっていないのでしょう。21世紀の科学の進歩は遅いと思います。この文章はまだ赤血球の培養をやっていた頃に雑談風に書いた文章です。商業出版されたわけではないので、ここに載せます。読み直したところ特に修正すべき点も発見できなかったので、当時のままです。
タイトル: コンドルは飛ぶ -赤芽性造血研究の歩みー
注:現在ではエリスロポエチン産生細胞は腎臓の尿細管間質に分布していることがわかっています。
中田紘介 柳田素子 日本内科学会雑誌 第103巻 第 1 号・pp.160-165 平成26年 1 月10日
腎疾患とEPO産生細胞
https://www.jstage.jst.go.jp/article/naika/103/1/103_160/_pd
| 固定リンク | 0
「生物学・科学(biology/science)」カテゴリの記事
- 続・生物学茶話258: ドギエルⅡ型ニューロンの謎(2025.01.13)
- 続・生物学茶話257: 腸神経細胞の形態学(2025.01.05)
- 続・生物学茶話256: 蠕動運動(2024.12.24)
- 続・生物学茶話255: 腸の起源をさぐる(2024.12.13)
- 続・生物学茶話254: 動物分類表アップデート(2024.12.07)
「にゃんこ(cats)」カテゴリの記事
- 私の好きな写真(2025.01.09)
- 謹賀新年(2025.01.01)
- ペリー来航の絵に寄せて(2024.12.21)
- 来年もまたコメ不足騒ぎが起きるのか(2024.12.19)
- カスハラより100倍も重要な問題(2024.12.15)
コメント