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2024年6月 9日 (日)

めざめ レム睡眠からとノンレム睡眠から

Hypnogram_created_by_natasha_k

図1 レム睡眠からの目覚め(1)

Schlafstadien_einer_nachtsvg

図2 ノンレム睡眠からの目覚め(2)

 

睡眠にレム睡眠とノンレム睡眠があることは皆さんご存じだと思いますが、では目覚める直前はどちらのタイプの睡眠なのでしょうか? それはどちらの場合もあるのです。図1はレム睡眠からの目覚め(1)、図2はノンレム睡眠第2ステージからの目覚めの例です(2)。

私はどちらの睡眠から目覚めたのかわかるような気がします。レム睡眠から目覚めたときは何のストレスもなく自然に目覚めた感じがして、ついさっきまで見ていた夢を思い出すことも多いです。一方ノンレム睡眠から目覚めたときは、突然別世界に放り出されたような気分で、肺が普段と違って勝手に深呼吸していてコントローできない感じがします。夢も思い出せません。

ウィキペディアには「レム睡眠は、鳥類と哺乳類にしかみられない」と書いてありますが、これは多分間違いです。アルベックらはトカゲがレム睡眠をしていることを証明しました(3)。私の推測は、すでにペルム紀初期に鳥類・哺乳類の共通祖先がレム睡眠とノンレム睡眠のベースをつくっていましたが、PT境界の大絶滅時代に睡眠の様式はリセットされ、長く眠って繁殖の時だけ覚醒するという、わずかな食料だけで生き延びられる生物だけが生き残ったのではないかということです。鳥類の祖先である爬虫類、哺乳類の祖先である哺乳類型爬虫類ともにいったん冬眠または夏眠が睡眠のデフォルトとなって、そこから生物が次第に増えてむしろ睡眠時間が短い方が生存に有利な状況になるにつれて、残されていた遺伝子を使って恐竜と哺乳類が(そして現存の一部爬虫類も)独立にレム睡眠とノンレム睡眠を再構築したのではないかと思います。

(画像はウィキペディアより)

1)Wikipedia:Hypnogram
すhttps://en.wikipedia.org/wiki/Hypnogramす

2)ウィキペディア:レム睡眠
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AC%E3%83%A0%E7%9D%A1%E7%9C%A0

3)Nitzan Albeck, Daniel I. Udi, Regev Eyal, Arik Shvartsman & Mark Shein-Idelson, Temperature-robust rapid eye movement and slow wave sleep in the lizard Laudakia vulgaris., Commun Biol 5, 1310 (2022).
https://doi.org/10.1038/s42003-022-04261-4

4)続・生物学茶話232: 2相性睡眠の起源
https://morph.way-nifty.com/grey/2024/03/post-976e25.html

 

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