ユロフスキ・バイエルン国立歌劇場管弦楽団のマーラー
バイエルン国立歌劇場管弦楽団の設立は16世紀前半、日本で言えば室町時代にあたります。19世紀にはハンス・フォン・ビューローやリヒャルト・シュトラウス、20世紀にはブルーノ・ワルター、ハンス・クナッパーツブッシュ、ゲオルク・ショルティ、ヨーゼフ・フリッチャイ、カルロス・クライバー、日本でもよく知られているカイルベルトやサヴァリッシュなどが指揮していました。そして2021年からはベルリンフィルに転出したキリル・ペトレンコの後任として、ウラディミール・ユロフスキ-が音楽監督を務めています。ロシアと戦争状態にありながら、国家を代表する2つのオーケストラの指揮者がどちらもロシア人というのはドイツの度量です。
ユロフスキーはこれ以上やるとフォルムが崩壊するというくらいロマンティックな音楽造りをすることがあり、このマーラー交響曲第4番もそんな演奏です。私はマーラーの音楽の中でもこの交響曲第4番は好きで、例えば第3楽章は有名な交響曲第5番のアダージェットより緻密な構成かつロマンチックなアダージョで、素晴らしい音楽だと思います。とりわけオーボエのソロには心を打たれます(34分38秒あたりからなど)。文学的趣旨としては「旨い食事と楽しい音楽があればそれは天国」という交響曲です。
この動画では 第Ⅲ楽章 Ruhevoll 静かに (poco adagio) - は、30分11秒より開始。もちろん他の楽章もソリスト Louise Alder の歌唱も含めて素晴らしい演奏です。
https://www.youtube.com/watch?v=5WEfgc5D1jg
その他 リヒャルト・ワーグナー トリスタンとイゾルデ前奏曲 などもアップされています。
https://www.youtube.com/watch?v=kybyEjEF0wY
私が持っているのはこのCD↓。こっちはホルストらしく端正かつ壮麗な演奏です。作曲家によってきちんと振り分けて、それぞれわざとらしさが感じられないというのが指揮者の技量だと思います。
余談ですが、写真を見るとバイエルン国立歌劇場は1F席が15列くらいしかありません。オーケストラピットが幅をとっているので、人の生声を届けるにはこのくらいのサイズが適切だと思います。初台の国立劇場は22列で広すぎる感じです。どうせ来るのは富民だし、それでも公費は投入せざるを得ないのですから、配信を1000円くらいでやって国民に還元すれば良いと思います。
歌劇場の写真はウィキペディアより
指揮者の写真は Alexander Nikiforov 氏の投稿(wikimedia commons)
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