高関-東京シティフィル マーラー交響曲第5番@オペラシティ2024/3/08
朝の団地の風景です。さて今日のコンサートには行けるのだろうかと心配していたら、午後には雪・雨もやみ青空がのぞく天気になりました。
それはよかったのですが、浅草線の東日本橋から新宿線の馬喰横山への地下通路を歩いて行くと人だかりにぶつかり、なんと新宿線が風船がとんだために全線不通ってそれ何? あわてて引き返して浅草線で浅草橋までもどり、JR中央線に乗り換えました。さて多分タクシーもつかまらないだろうに、初台までどうやってたどり着くかと思案しながら新宿に着くと、京王新線(新宿線)が再開していて助かりました。混乱していましたがなんとか初台までたどり着きました。
サンクンガーデンは人気がなく、空しくデコレーションライトだけ輝いていました。
さてオペラシティに着くと、なんと本日の演奏会は完売とのこと。東京シティフィルさん、高関さんおめでとう。
いつものようにマエストロ高関がプレトークに登場し、シベリウスとマーラーの出会いなどのお話がありました。そのなかでシベリウスが晩年の30年間作曲を断念したのは、音楽の方向性の問題だという彼の見解が述べられました。伝統的な独墺音楽を捨てて、新しい音楽を目指すという意味ではマーラーの交響曲第10番も、シベリウスの「タピオラ」も同じだったのでしょうが、マーラーの交響曲の方は結構エンタメ要素もはいっているのに対して、タピオラにはそのような要素が希薄で、まるで求道者の音楽のようなのでその差は大きいです。
本日のコンマスは荒井さんで、いよいよ私にとっても今シーズン最大のイベントであるマーラー交響曲第5番がはじまりました。冒頭のトランペットは奇をてらうことなく、明瞭なサウンドでスタート。ひとつ気になったのは指揮台の下になにか黒い大きな物が置いてあります。それは第3楽章で明らかになりました。ホルントップの谷さんが譜面台を持って指揮者の隣に移動し、指揮台の下に置いてあった「楽譜」をセットして第3楽章が始まったのです。どうしてこんな段取りになったのか不明ですが、強烈な音圧でありながら柔らかな音質の素晴らしいホルンを聴かせてくれました。
第4楽章の冒頭で物が転落する大きな音がしてびっくりしましたが、気を取り直して没入。このアダージェットはヴィスコンティの「ベニスに死す」で主人公が死ぬときのBGMになっていて、死とかやすらぎの象徴みたいになっていますが、マエストロ高関の解釈は、これはあくまでも「愛」の音楽であるということで徹底していたと思います。ポルタメントもなまめかしくて、その方向で堪能しました。
終楽章は自由闊達なシティフィルの演奏が炸裂して盛り上がりました。コントラバスのものすごいピチカートにはびっくりしました。大変な名演奏だったと思います。終演後のステージアンコールで、高関さんはトランペットの松木さんとホルンの谷さんを伴って現れました。来シーズンのプログラムを見るとマーラー交響曲第7番を演奏するようで楽しみです。
アダージェット
https://www.youtube.com/watch?v=m_Pc_a-WBSs&list=RDov1xwCQULSY&start_radio=1
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