「遠い昨日、近い昔」 森村誠一
森村誠一氏が今年の7月に他界されました。私は特にミステリーファンでもなかったので、はじめて彼の作品に出会ったのは角川映画の「人間の証明」でした。これはただのミステリーではない強烈な感情の高揚をともなう作品で、特別に深い印象を残してくれました。映画を見た後で小説本を読んだ記憶があります。ジョー山中の主題歌も忘れられません。
https://www.youtube.com/watch?v=tIq3mwcbnJ8
この本「遠い昨日、近い昔」は彼の自伝ですが、もうひとつの目的は反戦を訴えることです。小学校時代に太平洋戦争が勃発し、彼は小学生の頃から英語が話せたせいでひどい目にあったことが反戦思想の基盤になっています。また熊谷にあった彼の家も爆撃で消失し、父親のとっさの判断で命だけは助かったという経験もしたそうです。
そして「悪魔の飽食」執筆後に右翼団体などから受けた激しいバッシングもその思いに拍車をかけました。この作品は太平洋戦争の間に満州で731部隊によって行われた細菌兵器による作戦と、人間をマウスのような実験動物として行った人体実験について記したノンフィクションです。
森村氏は「これを世界に恥をさらす自虐的行為だと言う者もいるが、日本が犯した非人道的戦争犯罪を、くさいものに蓋をするように隠す行為こそ日本の恥をさらすものである」と述べています。
私が好きだったのはTVドラマで三浦友和氏が主演した「街」シリーズです。彼の演じたキャラの緩さが独特の雰囲気を醸し出していました。
https://thetv.jp/program/0000892226/
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