デジタル・ファシズム
デジタル・ファシズム 堤未果著 NHK出版新書 2021年刊
マイナンバーカードと健康保険証・運転免許証・その他資産などの個人情報を統合しようとする試みが急ピッチで進行しています。これはまさしく堤未果が警告していたようなデジタルファシズムの暗雲が日本を覆い尽くそうとしているのでしょう。
この様な試みは中国のような全体主義国家だけでなく、米国でも1970年代から進められています。当時の米国は不況で貧困者が増え援助が必要な状況でしたが、富裕層からは福祉予算に対する反発が激しい状況でした。堤未果によると、それを解決するために編み出されたのが、援助受給者の個人データをデジタル化して整理するという試みでした。これは不正受給を防止するという錦の御旗があったので、徹底的に推進されました。
しかしその結果、社会保障番号-名前-住所-年齢-顔写真-家族-資産-病歴-勤務先-勤務先での評価、そしておそらく現在ではアマゾンでどんな本を買ったか、グーグルでどんな検索をしたか、フェイスブックやインスタでどんな人と付き合いがあるのかなどもデータベース化され、その人に関する家族や友人も知らないような個人情報が政府に集められるわけです。
こんな社会でいいのか という判断はまだかすかに主権者にあると思いますが、それも風前の灯火のような気がします。
《きっこ》さんの発言 ↓
自民党政権は「マイナカードは義務や強制ではない」と断言して導入したが、管理する政府に信用がないため加入が進まず、ポイントで釣っても未だ49%の加入率。すると今度は「2024年までに紙の国民健康保険証を廃止してマイナカードに一元化する」という事実上の義務化。これを世間では「詐欺」と言う。
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