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2021年1月19日 (火)

都響 2021年度楽季プログラム

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都響が2021年度楽季プログラムを発表しました(都響HP)。コロナの折から4~7月の演奏会については、会員券を発売せず単発になるそうです。臨時の措置のようですが、それにしてはアラン・ギルバートやダニエル・ハーディングらの大物の来日を前提としているのがやや不安です。

そのアランが7月に持ってくるプログラムをみて仰天しました。なんとアラン・ペッテションの交響曲第7番というのです。私はいままで数多くの音楽評論に接してきましたが、ある方がウェブにアップしているこのペッテションに関する文章↓が一番印象に残っています。

http://kukikei.sakura.ne.jp/sym-eastnoth-pettersson.htm

あまりに面白いので交響曲第7番についての記述を引用させてもらいます。

「(引用はじめ)それが5分ほどもすると……また戻る……吹雪に戻る。まさに雪の女王登場。ここは泣き節全開で、きゅーっとくる。不安と前へ向かわんとする意志とのせめぎ合い。希望が少しずつではあるが、見えてくる。弦楽の伴奏による、スネアドラムのソロ……。(←どんな現代奏法でもふつうは逆である。)

そしてまたも静謐で、純粋なる祈りが聴こえてくる。このまま安息の中に消えて行くのなら、彼は1流半のちょい叙情系ブラック作曲家として、一般マニア受けしていただろう。

帰ってくる。
 
暗黒が返って来る。

お帰りなさい死の河。

彼は行くべき道を見いだしたと書いたが、そんな道は本当にあるのだろうか?
彼は我々には見えない世界の、黒色の遥かな道へ行こうとしているのではないのか?

危ない! 彼に着いて逝ってはいかん!!(引用おわり)」

とは言っても、私は2番から聴いていって6番まではすべて最後までもちませんでした。なんというかホラー映画のBGMみたいな感じで延々と続くので耐えがたいのです。はじめて全部聴けたのが7番でした。これは6番までと違って聴きやすいです。

まだ聴いていない曲もありますが、私的に一番感動したのは12番のオラトリオのような合唱付きのシンフォニーでした。アランの曲は非常に内省的で、彼の感情や心象風景を楽譜にした場合が多いのですが、12番は叙事的な詩があって、それに曲をつけたので普通の音楽(20世紀の人ですがいわゆる現代音楽ではありません)として聴けます。交響曲第7番もやや聴衆を意識して仕上げたようなところがあり、これは自分の中でだけ循環していた音楽を外に連れ出したような感じもします。驚くほど独特な音楽ですが、名曲だと思います。

これ以外ではマエストロ小泉の「オネゲル交響曲第3番」もいいですね。マデトヤとアイヴズの交響曲は聴いたことがありません。

まあほかにもいろいろありますが、すべてはコロナ次第とはなさけないご時世です。夏以降のプログラムについてはまた後に。

アラン・ペッテション 交響曲第7番
https://www.youtube.com/watch?v=mNSQTgZq87A
https://www.youtube.com/watch?v=KMG-QHu5QFs

 

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