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2020年5月 4日 (月)

美しき5月 このブログも15年目に

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ブログ記事を書くことは私にとって日常になっていて、特に苦心すると言うことはありません。でも14年間も続けられたということは、そこそこの健康を維持できたこと、放り出すほどの精神的ダメージや金銭逼迫がなかったこと、暇があったこと、読者が存在したこと、など様々な条件が重なってそれなりに幸運だったと思います。

14年前に最初に書いた記事は、野口英世をお札にするのはおかしいという内容だったと思います。彼は億単位のお金を借りたまま返さなかった人ですし、結婚詐欺の疑いも濃厚です。勤務先の蔵書を売り払ってお金を手に入れ解雇されたこともあります。またウィキペディアを見れば彼の研究結果は後にほとんどが否定されたことが書いてあります。こんな人物がどうしてお札になるのかといえば、政府関係者が科学というものにほとんど関心がないためです。選考する人が少しでも(つまりウィキペディアを見るくらいの)関心を科学に懐いていれば、野口がお札になることなどあり得ません。

日本のお札にノーベル賞受賞者が採用されたことはありません。日本で最初にノーベル賞を受賞した湯川秀樹は当然候補に挙がるべきだと思いますが、次の新紙幣にも採用されませんでした。これは彼が原子力委員会で正力松太郎と対立してケツをまくったことが原因だと思いますが、結果は正力が推進した原発が日本をあわや壊滅という事態にまで追いやるような危機を招いたことをみれば、湯川秀樹の主張が正しかったことは明らかです。

それでも原発を推進しようとする政府は湯川をお札にはできません。湯川をお札にできないので、他のノーベル賞受賞者もお札にできません。というわけで、あと一歩だった北里柴三郎に落ち着いたのでしょう。

J'ai vu le printemps nouveau-né
Se répandre dans les quartiers
J'ai vu partout le vent tourner
J'ai senti l'espoir se lever

私は新しく生まれた春が
街々に広がるのを見た
私は風がいたるところを回るのを見た
私は希望が湧き上るのを感じた

(美しき5月のパリ より 訳:朝倉ノニー)

https://www.youtube.com/watch?v=XtVMQMXivUU

 

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