トリチウムは安全ではない
今日報道ステーションで福島第一原発で保管しているトリチウム水を放出する必要があるというプロパガンダをやっていたのには驚きました。漁民がまるで放出水は全く安全で風評被害だけを心配しているように報道しているのには非常に落胆しました。あの保管水は安全ではありません。これは悪質な世論誘導です。
まず保管しているのが純粋なトリチウム水であるかのような報道ですが、フィルターで他の核種を完全に取り除けるはずもなく、実際に東電がそうではないことを発表しています。
「2017年度に汚染水浄化後の測定で、ヨウ素129が1リットルあたり62ベクレル検出され、排水基準値の9ベクレルを上回っていた。他にも排水基準値以下だが、ルテニウム106やテクネチウム99も検出された。」
2018年8月19日、共同通信「基準値超の放射性物質検出、トリチウム以外」
http://www.foocom.net/column/shirai/17224/
基準値を上回ったデータもあると報道されています(東京新聞)。
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2018081901001549.html
確かにトリチウムの放射線はガラス・紙などで遮蔽できます。ですからタンクに接近しても害はありません。
しかし分子レベルの距離では強い破壊力を持ってDNAなどを破壊します。トリチウムはタンパク質・脂質・DNAなどあらゆる生体物質にとりこまれるので、その害は計り知れません。
それだけではなく、トリチウムは下記の様に、ベータ線を放出してヘリウムに変わります。生物のDNAの2重鎖は水素を媒介としたゆるい結合を行っているということは、分子生物学の一丁目一番地です。
このようにして放射能を持つトリチウムが安全なヘリウムに変わったとたんに、その部域のDNAが壊れて、突然変異が発生する恐れがあるというのがトリチウムの特異な毒性です。
トリチウムは、原発や特にラ・アーグやセラフィールドの再処理施設などから大量に放出されています。したがって放出しても外国からバッシングを受ける心配はありません。しかし、テレビ番組などはしきりに海洋放出を無害と宣伝し、害は風評被害だと刷り込もうとしていますが、それは間違いです。
トリチウムはDNAの2本鎖の間に潜り込みDNAを切断する作用をもっています。切断されても、生物はDNAを修復する機能を持っているのでどんどん元に戻していくのですが、その作業は100%正確なわけではなく、一定の比率でエラーがつきものです。したがって年月を経れば生物の遺伝子に変異が蓄積していって、トリチウムの海洋放出が無かったときと比べると全く違った状況になるのは確実です。がんが発生する確率も上昇するでしょう。現にこれだけ医療が発達しても癌患者は増え続けています。
https://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/stat/annual.html
トリチウムは半減期が12.3年です。150年も置いておけばほぼ放射能はゼロになってしまうので、置く場所さえ確保すればいいのです。福島には人の住めない土地もたくさんあるというのに、どうしてわざわざ海に放出しなければいけないのでしょうか?
詳しくは下記の文献をご覧ください。
「トリチウムの危険性 ── 汚染水海洋放出、原発再稼働、再処理工場稼働への動きの中で 改めて問われるその健康被害 市民と科学者の内部被曝問題研究会」
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