地球温暖化対策:メタンガスをどうするか
地球温暖化の原因と言われる二酸化炭素ですが、現在の濃度は400ppmくらいです。地球の歴史をみると、カンブリア紀以降でも2000ppmくらいあったこともあるので(1、上図)、そのくらいになっても生物が死に絶えるわけではありません。むしろ植物にとって、現在の二酸化炭素濃度は低すぎる位なので、濃度の上昇は大歓迎です。
ただ急激な二酸化炭素濃度上昇による温暖化は凶暴な気象をまねくので、文明社会にとっては大問題ではあります。しかしそれより遙かに重要な問題はメタンガス濃度の上昇です。二酸化炭素はほとんどの植物が光合成で吸収して固定化できますが、メタンガスはそうはいきません。しかもメタンガスの温室効果は二酸化炭素の数十倍と言われています(2)。これが温暖化による凍土の溶解によって地中から噴き出してきて、加速度的にさらなる温暖化を進行させます。
吹き出したメタンガスは集めて燃やすのが一番ですが、無数の吹き出し口ができてしまうとどうしようもありません。そうなるとメタンをエネルギー源とする細菌に頼るしかありません。この細菌はメタンをメタノールからホルムアルデヒドに代謝し、さらにリブロースモノリン酸やセリンに代謝を進めることができます。京都大学などで研究が進められているようです(3、4)。
この菌を大量に培養してメタンガス噴出口周辺にばらまいたり、海洋に放出したりするしかなくなるかもしれません。
1)https://en.wikipedia.org/wiki/Carbon_dioxide_in_Earth%27s_atmosphere
2)https://www.aijapan-home.jp/article/15165708.html
3)file:///C:/Users/User/AppData/Local/Microsoft/Windows/INetCache/IE/C8FQEO1U/kyoto5.pdf
4)https://katosei.jsbba.or.jp/view_html.php?aid=576
(9月1日 記)
この記事を書いたらすぐ、トランプ大統領がメタンガス排出の規制をゆるめる方針だという新聞記事が出ました。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2019-08-30/PX1KWN6KLVR401
トランプ大統領が地球環境に何の配慮もする気が無いということがよくわかりました。万死に値する行為だと思います。
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