インバル-都響 ショスタコーヴィチ交響曲第5番@東京文化会館2019・3・26
お花見シーズン真っ盛り(といっても北総ではまだほとんど咲いていませんが)の上野で都響の演奏会です。指揮者はインバル、コンマスは矢部ちゃん、サイドは山本さんの豪華メンバーです。
私はショスタコーヴィチ交響曲第5番にはスターリンに対する怨念が込められていると思っています。政治家に作品に対していろいろケチをつけられたら、作曲家として頭にくるのは当たり前です。それでも器楽曲には歌詞がないので、反逆の証拠はありません。私は下のNHKの番組を見て、スターリンはそれを百も承知でショスタコーヴィチの音楽を利用しようとしていたと確信しました。
死の街を照らしたショスタコーヴィチ交響曲第7番
https://morph.way-nifty.com/grey/2019/01/post-5f66.html
ブラームスの悲劇的序曲は「悲劇」を感じさせないくらい、堂々たる押し出しで終了。シェロモはブロッホの作品ですが、ヴァイオリンコンチェルトのようなエンターテインメントではなく、ユダヤ人の歴史を語る非常にシリアスな内容で、襟を正して聴きました。
ソリストのリプキンはとてつもないチェロの名手で、今まで聴いたチェリストの中でも最も強いインパクトがありました。名古屋ではお客さんが少なくてご機嫌ななめだったようですが、今日はほぼ満席で上機嫌のようでした。最後など「うまくいった、どんなもんだい」という感じなのか、笑いながら弾いていました。
後半のショスタコーヴィチは、さすがに都響の金看板かつショスタコ博士のインバルの指揮ということで、ここでやらなくてどうするという全力演奏でした。冒頭から一気に引き込まれます。ショスタコーヴィチという人は、革命や戦争の血みどろの世界の中でも、人間はユーモアやエンターテインメントを忘れてはならないという考えで、このシリアスな交響曲第5番でも第2楽章は優雅なバレエを鑑賞しているような楽しい音楽を提供してくれます。
インバル-都響入魂の第3楽章の磨き抜かれたスピリチュアルな音楽は白眉でした。そして爆裂する第4楽章へなだれ込みます。強烈なトゥッティを聴いているうちに体温が上昇してきて血管が崩壊しそうでした。
開始前に少し上野公園を散歩しました。しだれ桜は満開でした。
都響も提灯をだしていました。
桜並木はかなり桜が老朽化して強めの剪定を行なったらしく、しょぼい感じでした。
花見で大行列の並木道など知らぬ顔で、ハシブトガラスがえさをさがしていました。
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