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2018年11月 9日 (金)

都響の将来像

Tokyo_bunka_kaikan01_1920東京都交響楽団の将来像に関する有識者懇談会 第1回議事録が公開されています。
こちら

都響の将来を決める重要な懇談会です。

ここで大野監督は次のように述べています
「東京都交響楽団は、ただいま東京文化会館の地下室の練習場で常時練習をしておりまして、東京文化会館で公演はしているんですけれども、東京文化会館で、例えばリハーサルが舞台の上でできるわけではありません。東京文化会館というのは別の組織でございまして、非常に人気の高いホールでもありますので、なかなかそういう意味では、東京都交響楽団が東京文化会館との共同作業として定期演奏会などを共催するというような形は、また取るに至ってはおりません。そしてそれは、繰り返しますけれども、日本の多くの、ほとんどと言ってもよろしいと思いますけれども、オーケストラの現状でもあります。---中略---ステージで練習できるのが、これに勝ることはないのでありまして、そこでいろいろなニュアンスとか、バランスとか、そういうことが空間的な観点からも、音響的な観点からも、これに越したことはないのであります。」

つまり東京文化会館の大ホールでリハをやらせてくれと言っているわけですね。ところがこの懇談会の委員の一人はこれに反応して「そもそも練習して演奏会もできるみたいな、特定のオーケストラのための素晴らしい専用ホールを、東京のような土地で得られるわけがないのではないか。いったいいくらかかるのだろう?誰が建設費や維持費を負担するのだろう?田舎に本拠地を移せば可能かもしれませんが、楽団員も定期会員もたとえば多摩の山奥とかに専用ホールができたら通ってくるだろうか。そんなことをいろいろ考えてみるべきでしょう。」などと発言しているのです。

専用ホールを新たに建ててくれなんて誰も言ってませんよ。こういう「人の話をねじ曲げて否定し、マイナスイメージを醸成する」ような人が委員を務めているのです。公演スケジュールを決めるときに2日づつホールを予約すれば、1日はリハに使えるというお話しです。東京文化会館の大ホールは決してぎっしり予約で満杯というわけではないですし、なにしろ東京都の施設ですから都響が2日予約することに違和感はありません。それをやらせてもらえない、あるいは賃料に配慮がないというのは組織に問題があります。

都響も野球やサッカーでやっているようなファームをつくったらどうでしょう。ユースオケでもいいと思います。準団員という称号だけでもいいかもしれません。非常勤職員とはいえ、リハーサル室は無料で使えて、指揮者の付く練習ができるというのは若い音楽家にはメリットがあると思います。学校、施設、病院、僻地、離島などでの公演、都響が今ほとんどやっていない東部地域(墨田区・江東区・江戸川区・葛飾区・足立区)での公演、本公演へのエキストラ参加などには当然報酬が出ます。もしこの様な場所でしばしば公演することがオーケストラの存続に必須であるならば、このシステムでやるべきでしょう。

都響は今でも室内楽とか美術館との抱き合わせで無料音楽会をやっていますが、年に2回くらいは上野水上音楽堂でフルオーケストラの無料または投げ銭コンサートをやったらどうですかね。都知事好みの○○フェスティバルというような名目でもいいでしょう。クラシック音楽を聴くにはにはまだ敷居があるように思います。まず生で聴いてもらうことでしょう。それにどんな商売にも宣伝は必要です。

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