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2018年3月20日 (火)

インバル-都響:ショスタコーヴィチ交響曲第7番「レニングラード」@東京文化会館2018・3・20

Imga寒の戻りで異常な寒さの中、東京文化会館に出かけました。ここは駅から1分なので助かります。本日のコンマスは山本さんで、そのせいか上野に雨は降りませんでした。サイドはマキロン。

ショスタコーヴィチほど戦争やファシズムに深い影響を受けた作曲家はいないのではないでしょうか? 本日の交響曲第7番ハ長調「レニングラード」も、一部がヒトラーのドイツ軍に包囲されたレニングラード(現サンクトペテルブルク)で作曲されたという、まさに戦争と切っても切れない関係にあります。

交響曲第5番は友人・親戚が次々に粛正されていく中で、体制を礼賛するという形をとって、スターリンに対する怨念を爆発させたものだと思いますが、第7番は祖国やレニングラードへの愛とファシズムへの敵愾心がバックグラウンドにあると、私は解釈しています。

メロディの質は第5番の方が上だと思いますが、曲に対する作曲者の思い入れは第7番の方が深いように感じます。本日の指揮者は久しぶりのマエストロ・インバル。80を越えているとは思えないエネルギッシュな指揮は驚異です。冒頭から都響の素晴らしいアンサンブルに引き込まれます。第1楽章の中心は、ラヴェルのボレロのように、西川さんの小太鼓の主導で進行していきます。大勢のエキストラ奏者も含めて、強烈なクライマックスの金管の迫力はさすが。

私が1番感動したのは第2楽章での鷹栖さん(オーボエ)のソロです。このしみじみとした情感には、本当に今日ここに来て良かったなと思いました。

終演後照明が明るくなった後でマエストロ・インバルが登場し、残って帰り支度をしていた西川さんをステージ正面に連れてきて共に拍手をもらっていたのには感動しました。

今や習近平、ウラジミル・プーチン、ドナルド・トランプなど大国の指導者がファシズムに親和性があるような政策を進めていますし、わが国でも晋三政権になってから、前記事で定義したファシズムに相当するような政策を進めています。

「It's dark days」

最後に赤羽常務理事への抗議: 来年の3月ですが、いくら元気だといっても、80才を越えた老人であるマエストロ・インバルのスケジュールがタイトすぎませんか? 3月23日福岡、24日名古屋、26日東京というのはいくらなんでも問題でしょう。

こんな曲です(パーヴォ・ヤルヴィ NHK交響楽団)
https://www.youtube.com/watch?v=YBM8xPxgpoo

↑これは名演だと思いますが、今日の都響はさらに上をいってました・・・と思います。

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