BS1 文化大革命
「12月23日(金) 午後9時00分 NHK-BS1スペシャル▽文化大革命50年知られざる“負の連鎖”~語り始めた在米中国人」をみました。
まず驚いたのは、米国でウォルダー教授を中心に20年かけて詳細な文化大革命のデータベースを作ったということで、大量の資料も収集しているということです。NHKが彼らを選択したと言うことからみても、おそらく日本の文革研究は遅れをとっているのでしょう。現政府は大学での社会人文科学の縮小を標榜していますが、差はますます広がっていくのでしょう。
番組の内容では、紅衛兵の暴行は有名ですが実は造反派の内紛と軍による造反派の選別が多くの死者を生み出したというお話には驚きました。文化大革命の被害者の多くが米国に住んでいるというのも残念なことで、本来は日本に招き入れるべき人々だったのではないでしょうか。
最近私は「やぶにらみ生物論」というのをやっていますが、そのためによくウィキペディアをみるのですが、その英語版と日本語版の差は衝撃的です。日本の研究者の無力に愕然とします。子供が減っているのも、研究者の生活に大きな影響を与えます。大学や研究施設に仕事がなければ、自然科学は社会人文科学より急速に崩壊します。
米国という国家は甘く見るべきではありません。基礎科学にも莫大な予算を投入してきちんとやっています。グローバリズムから撤退しても、極端な話鎖国しても、1国だけでやっていけるだけの偉大な国家です。ウォルダーが20年もかけてコツコツと他国の事件の膨大なデータベースを作成できるような、学問研究をやる雰囲気があるのはうらやましく思います。
このあとの番組でエマニュエル・トッドが語ったことはほとんど同意できます。彼は「EUは監獄で看守はドイツである。EUは崩壊に向かっている」と発言しました。また「日本は中国と敵対してはならない。むしろ中国が内部崩壊しないように手助けするべきだ」とも発言しました。全くその通りだと思います。
彼が20年前に日本に来たときから少子化が大変だと話題になっていましたが、現在でもその問題がさっぱり解決されていないことに彼は驚いていました。この責任はもちろん官僚ではなく自民党にあります。自民党は20年間なんら有効な対策を行いませんでした。ですから官僚は年寄りを働かせたり、年金を下げたりというようなことしかできないのです。
ちなみに私の大叔父は20人近い子供がいて(再婚あり)、名前を忘れてしまったため同じ名前をつけてしまった子がいた(冗談ではない)ということを聞いています。ですから、なぜ子供が減るかというのはトッドが言うような家族観が原因でないことは明らかで、この点だけはトッドに同意できません。戦前の家父長制の時代でも数人以上子供がいるのは当たり前だったわけですからね。
by ササニシカ with friends
https://www.youtube.com/watch?v=H-3vJX0KjGU
では メリー・クリスマス
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