都響-大野 マーラー交響曲第4番@東京芸術劇場2016年11月27日
雨模様ですが、そんなに寒くないのは歓迎です。都響の久しぶりのマーラーということで、池袋芸劇は大盛況でした。本日の指揮は大野さん、コンマスは矢部ちゃん、サイドは四方さんです。
天羽(あもう)さんはモスグリーンの渋いドレスで登場しましたが、仏様のような容姿の方です。リーフレットの写真からの変貌がみられましたが、美しいことには変わりはありません。
最初はベルクのアルテンベルク歌曲集。これはマーラーがはじめた管弦楽伴奏歌曲集の衣鉢を継いだものですが、マーラーのような旋律を基盤とした音楽ではなく、自然の音のシミュレーションや多彩な楽器の音響で心理描写や歌詞の雰囲気を醸成することを目的としています。この点ではベルクは天才です。最初の数秒で引き込まれてしまいます。ただCDを買ってまた聴いてみようかという観点から言うと微妙かな?
https://www.youtube.com/watch?v=FQsHjCaLgog
ラヴェルの左手のためのピアノ協奏曲もエマールの切れ味良いピアノは魅力ですが、そんなに好きな曲じゃないので、ただ座ってボーッと聴いていただけです。
休憩後はお目当てのマーラー交響曲第4番。やはり曲の面白さが前半とは桁違いです。開始前に矢部ちゃんが隣の四方さんに早業でポケットから多分薬をとりだして渡すと、四方さんも早業で飲み込みました。すごいコンビネーションです。メッシ→スアレス→ゴール。矢部ちゃん単独ではよくみかけますが、どうして楽屋でなくステージで服用するのかが謎です。
マエストロ大野の趣味でしょうか、非常に繊細で透明度の高い演奏でした。愕然としたところもありましたが、第3楽章は特にマーラーの音楽を優秀な解剖学者のように細部まできれいに露出してくれたような演奏で、一風変わっているとはいえ、それなりに堪能できました。
突然盛り上がる部分で、天羽さんがお色直しして白のドレスで現れました。やはり天使は白か。低音がよく聞こえませんでしたが、おちゃめな天使という役割の歌をその通りに歌ってくれました。声質がぴったりですし、ライヴではルックス(かわいい)も重要な要素です。マイクが林立していたので、レコーディングモードでした。CDが発売されるのが楽しみです。
ウィキペディアを見て驚いたのは、この曲を最初にレコードに録音したのは、近衛秀麿指揮新交響楽団(ソリスト北澤榮子)で1930年のことだったそうです。マーラーも日本とは縁があるんですね。しかもこのSP盤は現在CDに復刻されて販売されています。
マーラー交響曲第4番(このオケはホルンが上手)
https://www.youtube.com/watch?v=Ividyw_WPv4
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