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2016年6月 1日 (水)

漂流するスペイン・カタルーニャ・バルサ

400pxautonomous_communities_of_spaiリーガ・エスパニョーラのバルサをみられるのも今年が最後かと思っていましたが、カタルーニャの独立問題が吹き飛んでしまうくらいスペインの政治は混乱していて、大変な状態になっています。

スペイン下院(350議席)の議席数です。

国民党          123
社会労働党        90
ポデモス          42
シウダダノス           40
アン・クムー・プデム   9
コンプロミス           9
カタルーニャ・シ        9
民主主義と自由        8
諸派                       17

これらのうち右派政党は国民党とシウダダノスとみられますが、合計163議席で過半数に達しません。左派政党は社会労働党とポデモスなど5政党とみられますが、こちらも167議席で過半数に達しません。国民党と社会労働党が連立しないと政権ができませんが、まあ自民党と民進党のようなもので連立できるわけもなく、結局無政府状態となって、6月26日に再選挙となりました。

ポデモスは米国で言えばサンダースに近い感じで、グローバル企業の租税回避に反対し、EUに反対、貧困の撲滅を目指した政党です。カタルーニャに本拠地があります。シウダダノスもカタルーニャに本拠地がある政党ですが、独立には反対しており、スペイン語の普及に熱心で、独立派にとってはいわゆる裏切り者の政党です。カタルーニャにも、独立すると仕事などに支障がでる人は当然多数いると思われるので、そこそこ人気があるのは理解できます。「EUはスペインの未来」と言っているように、欧州統合派です。

一方ポデモスも独立の是非を問う住民投票には賛成しているものの、カタルーニャの独立には反対しています。これらの点で、両政党ともカタルーニャの地方政党にとどまらず、スペイン全国で人気を得ることができています。

昨年の選挙の結果、バルセロナ市議会でポデモス系勢力が第1党となり、ポデモスやシウダダノスが全国でも有力な政党になったことで、カタルーニャの独立は遠のいたと思われますが、いざ住民投票で独立派が勝った場合、カタルーニャでの政治対立は非常に厳しいものになると思われます。スペイン政府については、再選挙の結果がどうなるかわかりませんが、今度こそは妥協的な連立政権ができると思います。しかしおそらく非常に不安定な政権で、スペイン・カタルーニャ・バルサともども漂流する2016年になりそうです。

スペインは大変と言いたいところですが、日本はもっと大変で、1000兆円の借金(だから絶対に金利は上げられない)、農業の壊滅、原発の始末、がどれも解決のめどがたたないという悲惨な現実があります。

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