英国のEU離脱からみえてきたこと
報道ステーションで取材していた日本の製薬会社の話は興味深いものがありました。
工場を英国につくって、従業員はすべて外国人の出稼ぎ労働者や移民を雇い、製品をEU諸国に輸出するというビジネスモデルでした。これだと賃金は安くて済むし、輸出に関税はかからないというわけで、日本でやるより5倍の収益があるそうです。本当に頭の良い商売です。
しかしこれだと外国人労働者が流入して、文化・治安・就業機会が破壊されるというリスクを日本が回避し、英国にすべて押しつけているという意味では、英国人からみるとずるいやり方だとみられるのは致し方在りません。
日本人から見ても、この会社のやり方だと、会社経営者と株主だけボロ儲けですが、税金は英国に支払い、給料はルーマニアなどの外国人労働者に支払うということで、さらに上手な経営者だと利益はケイマン諸島に移転しておくなどやっているでしょうから、日本とはほとんど関係のない商売ということになります。
ですからまあ「好きにやって、好きに困れば」というしかありませんが、TPPが批准されるとどうなるかも見えてきますね。
英国と違って、日本は外国人嫌いに支持されている右翼政権なので、外国人労働者を入れにくいという事情があり、おそらくまずベトナムに、すぐにフィリピンやタイもひきいれて、当地に工場を作り、安い賃金で製品をつくって関税のない米国・日本など加入各国に輸出するという形になるでしょう。これで儲かるのは、やはりグローバル企業の経営者と株主だけです。そのうえ英国の場合とはことなり、日本から工場が海外に移転するので、景気や雇用については英国よりひどい状況になることは目に見えています。
私は上記の理由だけでもグローバル化には反対する意見ですが、その中で平和を維持するためには国連の強化が必須の条件だと思います。国家エゴイズムによる戦争は阻止しなければいけません。
(写真はフリーフォトサイト足なりより)
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