インバル都響のショスタコーヴィチ交響曲第15番@東京文化会館2016年3月29日
今季最後の都響演奏会は東京文化会館大ホールで。メイトが長蛇の列でしたが、来期からは廃止されるので、このような光景もみられなくなります。
インバル先生の指揮とあって、マイク林立でレコーディングの準備は万端です。コンマスは矢部ちゃん、サイドは四方さんで最強シフト。さすがにモーツァルトのピアノコンチェルトは、アンサンブルもニュアンスも素晴らしく、最高の演奏でソリスト白さんをサポート。白さんのピアノは漬物で言えば古漬けの渋い味ですね。
ショスタコはすごい名演でした。交響曲第15番イ長調がこんなに面白い曲だとは思いませんでした。第1楽章は舞曲的な雰囲気ですが、あまりにも切れ味の良い演奏で、あっという間に終わってしまいました。「ウィリアム・テル」序曲も頻繁に引用されますし、小学校の運動会のBGMのような感じですが、一方でワルプルギスの夜のような雰囲気もあります。
第2楽章はエレジーで、田中さんのチェロが雰囲気を盛り上げます。こういう役割は田中さんにうってつけです。小田桐さんのトロンボーンソロ、矢部ちゃんのソロも悲しげな歌を奏でます。短いスケルツオをはさんで、第4楽章はワーグナーの楽劇「ジークフリート」の雰囲気ではじまりますが、打楽器が大活躍するとても面白い音楽です。弦楽合奏には「わびさび」すら感じられました。こんな繊細な演奏をロシア人ができるとは思えません。
このような演奏を聴かされると、また来期が楽しみになります。
こんな曲です(ショスタコーヴィチ 交響曲第15番イ長調)
https://www.youtube.com/watch?v=8UFob7kRc2c&spfreload=10
↑この演奏なんか聴いていると、都響もスタジオ録音で万全のCDを出版して欲しいと思いました。
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