ワーグナー「指輪」管弦楽編集版 by アラン・ギルバート都響@オペラシティ2016年1月27日
オペラシティで都響の演奏会です。今日はニューヨークフィルの音楽監督アラン・ギルバート(米国人と日本人のハーフ)の登場とあって客席は超満員かと思いきや、前3分の1がガラガラです。後ろの方はギッシリだったので、いったいどういうチケットの売り方をしているのか???です。
しかも青少年招待で多くの学生にチケットを配ったようで、それでようやくこれかと.....orz。平日夜のコンサートがいかに困難になってきたかの証明になってしまいました。日本の企業は人材不足で、なんでもそこにいる人間でやらないといけなくなり、サラリーマンは忙しくなっているのでしょう。あとは高齢者ですから、夜遅くの帰宅は厳しいのかもしれません。招待された学生のほとんどがマスクをしていて、異様な雰囲気でした。インフルエンザが流行しているのでしょうか? 感染は勘弁して欲しい。
プログラム:
1.武満 徹:トゥイル・バイ・トワイライト -モートン・フェルドマンの追憶に- (1988)
2.シベリウス:交響詩《エン・サガ(伝説)》 op.9
3.ワーグナー(アラン・ギルバート編):指環の旅~楽劇『ニーベルングの指環』より
本日のコンマスは四方さんで、サイドは矢部ちゃんの最強シフト。アランはつい最近都響を振ったように思っていたら、前回は大震災の年で、もう5年にもなるんですねえ・・・。はじまる前のステージで南方さんがイングリッシュホルンの調整をやっていて、ずいぶん長く音を聴くことができました。ちょっと得した気分です。彼女は楽器の調整が済むと、クラリネットのサトー氏と、楽譜を見ながら入念に打ち合わせをやっていました。
武満の曲は彼にしてはなかなか賑やかな曲で、フェルドマンの追悼曲というイメージとは少し違っていました。きっとフェルドマンは陽気な人だったのでしょう。エン・サガは20才台の若きシベリウスが青雲の志を持って書いた仕掛けの多い曲で、都響の丁寧な演奏で楽しく拝聴しました。
ブレイク後の後半は、アランが自ら編集したワーグナー「ニーベルングの指輪」の管弦楽編集版です。昨日も同じプログラムをサントリーホールで演奏したせいか、今日の完成度は抜群でした。都響の繊細でフェミニンな弦のアンサンブルが、ワーグナーの叙情的な面をうまく表現してくれるところが興味深いと思いました。もちろん金管の押し出しも十分で、最後は強烈に盛り上がりました。アランはオーケストラの特性を引き出すような指揮をするタイプだと感じました。
サントリーホールはB定期だったので、今日の演奏会は割高となってお客さんが少なかったのかな? でもいった人は得したと思いますよ。都響も同じプログラムをやるときは、平日夜-平日夜の組み合わせは最悪で、金曜昼-土曜昼・日曜昼-月曜夜などの組み合わせで、異なる客層を狙った方が良いと思いました。マネージメントも工夫してやらないと、せっかくの名演奏も価値が下がってしまいます。
Alan Gilbert & New York Philharmonic
https://www.youtube.com/watch?v=g2DnTe19WhI
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