白内障が目薬で治る
カリフォルニア大学サンディエゴ校の Ling Zhao 博士等が、白内障を目薬で治す方法を開発したというニュースが飛び込んできました。左はその成分であるラノステロールというステロイドの分子構造です。
http://www.nature.com/nature/journal/vaop/ncurrent/fig_tab/nature14650_F4.html
これはもともと東京都老人総合研究所の朱宮博士等が、ラノステロール合成酵素の遺伝子が突然変異をおこしたラットが、白内障を発症することを報告した論文にヒントを得たものと思われます。下記の論文です。
Lanosterol synthase mutations cause cholesterol deficiency-associated cataracts in the Shumiya cataract rat
Masayuki Mori, Guixin Li, Ikuro Abe, Jun Nakayama, Zhanjun Guo, Jinko Sawashita, Tohru Ugawa, Shoko Nishizono, Tadao Serikawa, Keiichi Higuchi, and Seigo Shumiya
J Clin Invest. 2006 Feb 1; 116(2): 395-404.
東京都老人総合研究所は石原都知事にいじめぬかれた研究所で、このような重要な研究をやっていたのに目薬まで到達しなかったのは、研究環境が破壊されたのが原因ではないかと想像します。残念!
Zhao 博士等は培養細胞から始めて、ウサギ、イヌでラノステロールが白内障治療に有効であることを確認しています。すくなくとも獣医の領域では、すぐに使われるようになるのではないでしょうか。
目のレンズはクリスタリンというタンパク質などでできているのですが、本来透明度の高いレンズが、クリスタリンが老化変性するとかたまり状となって”にごり”がでることが白内障の原因といわれています。まだメカニズムはよくわかってないようですが、ラノステロールにはこのかたまりをほぐす作用があるようです。
Zhao 博士等の原著:
Lanosterol reverses protein aggregation in cataracts
Ling Zhao et al (2015) Nature doi:10.1038/nature14650
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