大野-都響 マーラー交響曲第7番@東京文化会館2015年4月8日
厳しい寒さ再来の中で上野東京文化会館に出かけました。大野氏の音楽監督就任記念公演の第2ラウンドはマーラーの交響曲第7番です。会場はほぼ満席で大変な熱気です。
前回同様大野氏みずからプレトークに出てきました。20分話しましたが、前半の10分は第7番とは関係の無いお話で、後半の10分が本日の演目の解説でした。あせってしゃべっている感じだったので、それなら20分全部を第7番の解説にあてて、ゆっくり話せば良いのにと思いました。多分リハーサルでもあんな感じでしゃべっているのだと思いますが、もう少し余裕をもってじっくり話すほうがわかりやすいと思いますよ。
本日のコンマスは山本さん、サブは田口さん。美里ちゃんは多分はじめての最前列だと思います。脇を締めて左肘をぐっと体の内側に寄せて弾く独特のスタイルの演奏です。無事お役目を果たせておめでとうございます。
私にとって、この交響曲第7番はマーラーの交響曲の中で、唯一苦手な曲です。マーラーが室内楽を拡張したようなシンフォニーを書いてみたかったという趣旨はわかりますが、特に第1楽章・第2楽章が散漫な感じで、どうしても全体像がつかめず、いつもなんとなく終わってしまいます。大野さんはあんまり変なアゴ-ギグやデフォルメは使わず、流れを重視するタイプだと思いましたが、それならこの第7番などは向いてない感じなのです。今回もやはり第1楽章・第2楽章は、部分的な面白さだけで通り過ぎてしまいました。
第3楽章以降はそれなりに楽しめましたが、これで今シーズンはマーラーの演奏はないわけで、やっぱり7番だけというのは実に残念。大野氏が都響をマーラーから脱皮させようという意図なら、その考えには賛同はできませんね。マーラーが聴きたくて都響の会員になっているわけですから、ここまで長い年月をかけ、マーラーのスペシャリストを何代も常任に招いて、ようやく世界でも有数のマーラーを演奏できるオケに成長してきたわけですから、それを反古にするのだけはやめて欲しいと思います。あそこにいけばいつも名物の○○饅頭が食べられるというのが老舗というもの。プロが飯の種である看板商品に飽きてはダメです。
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