アリアCDの快挙
CDが売れなくなって、街からCDショップがつぎつぎと姿を消していきましたが、そんななかで破竹の進撃を続けるのが名古屋のCDショップ「アリアCD」です。ショップの特徴としては、クラシック音楽専門で会員制(年会費1000円)をとっていることですが、詳しい商品解説を見て購入することが出来ます。主に海外から弱小レーベルも含めて、様々な商品をとりよせて販売していますが、国内盤もあります。通販店舗がメインだと思います。
ここの会員になってから、私はほとんど街のCDショップに行ったことがありません。私的には、こことアマゾンで十分です。
店主松本氏のクラシック音楽とメディアに関する知識は半端ではなく、コンサートを主催したり、書籍を出版したり、大学で講義したりするほどです。しかしそのセールストークの巧みさはそれを凌駕するほどで、お客さんはすぐ金欠に陥ってしまいます。
アリアCDは勢いに乗ってレーベルを立ち上げたばかりか、今回ついに企画・制作・販売という、全くレコード会社と同じ、いやそれ以上の仕事をやってのけました。ピアニストは五島史誉(ごしまふみよ)さん、ピアノはベーゼンドルファー、エンジニアは後藤さんなのですが、松本氏がすごいのは、彼らを(おそらく言葉巧みに持ち上げて)ただ働きさせてこのCDを制作したということです。しかも今はどこもやってないオープンリールデッキ(死語)を用いたアナログ録音までやってのけてしまいました。
私はさすがにデジタル録音版を購入しましたが、松本氏はアナログの音はすごいと豪語しています。しかしこのデジタル版も素晴らしい録音で、メジャーのレコード会社の最良の録音にも匹敵する音が収録されていると思いました。
五島さんの芸風は、鋭敏瞬発型ではなく、じっくりと生真面目にやっているうちにじわじわと暖まってくるというもので、どちらかと言えばシューマンやドビュッシーよりも、シューベルトやベートーヴェンにフィットする感じです。しかしシューマンやドビュッシーにも独特の安心感みたいなものが感じられて、それなりの良さがあります。
録音風景:https://www.youtube.com/watch?v=LpP4QeKSg_s&feature=youtu.be
アリアCD:http://www.aria-cd.com/
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