ネオニコチノイド系農薬とパブコメ

国際環境NGOグリーンピース・ジャパンは、2015年2月7日、情報公開制度で厚生労働省から開示されたネオニコチノイド系農薬クロチアニジンの規制緩和に関するパブリックコメントの内容を公表し、1件が規制緩和に賛成で、残りの1656件は反対を表明するものであったと発表しました。
http://financegreenwatch.org/jp/?p=41821
これでパブコメを無視して、規制緩和を強行するのなら、何のためにパブコメなんて募集しているのか意味が無いことになり、政府が政策変更に追い込まれる可能性があります。そこまでして厚生労働省が強行する意味が果たしてあるのでしょうか?
ヨーロッパでは2013年12月からネオニコチノイド系農薬に厳しい規制が行われています。
http://www.greenpeace.org/japan/ja/news/blog/staff/eu/blog/47604/
またハーバード大学などの研究によって、ネオニコチノイド系農薬がミツバチなどに致命的な影響を与えることがすでに証明されています。ミツバチがいなくなることは、虫媒花植物に致命的な影響が及ぶおそれがあります。ハチ以外にも私たちを含めて動物にも影響があるかも知れません。この期に及んでも、厚生労働省はパブコメや科学を無視して、ネオニコチノイド系農薬の規制をゆるめようとしているわけですから、何をかいわんやです。
Sub-lethal exposure to neonicotinoids impaired honey bees
winterization before proceeding to colony collapse disorder
Chensheng LU, Kenneth M. WARCHOL, Richard A. CALLAHAN
Bulletin of Insectology 67 (1): 125-130, 2014
(全文)
http://www.bulletinofinsectology.org/pdfarticles/vol67-2014-125-130lu.pdf
日本で農薬規制がゆるいのは政府のせいばかりではなく、私たち日本人の姿勢にも起因します。すなわち無傷でピカピカの野菜しか売れないということが大問題で、みんなが多少の虫食いくらい問題ないと思うようになれば、政府の姿勢にも変化が生まれるのではないでしょうか。そのためにはお題目をとなえるより、スーパーや一般小売店で積極的に虫食いの野菜を売るように、政府やマスコミが指導・宣伝するしかないでしょう。日本人はそのような指導・宣伝には弱いという国民性もあります。
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