ドヴォルザークの「新世界より」
冬はあまり遊びの外出はしないことにしていますが、都響の「新世界より」が聴けるということで、2月11日調布市グリーンホールでのコンサートのチケットを購入して楽しみにしていました。ところが、なんと余儀ない事情でいけなくなってしまってがっかりです。
私が好きなCDでの「新世界より」はなんといっても、1984年3月のテンシュテット指揮ベルリンフィルのライヴです。冒頭からそのただならぬ雰囲気と、狂熱的なエネルギーに圧倒されますが、特に第2楽章はゆったりとしたテンポで、心ゆくまで楽団員に歌わせた素晴らしい演奏です。第4楽章の迫力もすごいものがあります。
テンシュテットはあちこちでオケと衝突して落ち着けず、ようやく1983年にロンドンフィルに受け入れられて音楽監督のポストを得ます。ガーディアン紙に「テンシュテットなきロンドン・フィルはミック・ジャガーのいないローリング・ストーンズのようだ」とまで書かれたそうです。
ベルリンフィルとはロンドンフィルについで関係がよかったらしく、14年間で23回のコンサートを行ったそうですが、しかもその少ない数にもかかわらず、カラヤンの後釜として最有力だったそうです。しかしそれは彼が癌に冒されたことによって果たされませんでした。予定調和的なカラヤンの演奏に比べて、はみ出しがちなテンシュテットは聴く者に異様な高揚感を与えてくれました。
ヘルガ・グリューネヴァルトのライナーノートのよると「彼が指揮台に立つだけで雰囲気は高揚し、指揮姿からは活力があふれでるようだった」と述べていますし、ベルリンフィルのコントラバス奏者だったルドルフ・ヴァッツェルによれば「彼とのコンサートは、まるで踊りながら綱渡りをする様だった」と述べています。
https://www.youtube.com/watch?v=pK0amw57wSw
クラウス・テンシュテット(1926-1998)のCDについて:
爆演堂という通販店で多数の作品が販売されているようです。 http://www.bakuendo.com/musician/tennstedt.html
彼の死後、彼を凌駕する指揮者は出現していないように思います。
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