スコットランドとカタルーニャ
スコットランドの独立は不発に終わりましたが、ここまで盛り上がるとは驚きました。やまだひさし氏の分析によると、イングランドの管理社会化(監視カメラと重罪化による国民の管理)と新自由主義化が進んで、共同体社会をめざすスコットランドとの乖離が目立ってきたことが根底にあるそうです。お金や仕事のつながりで、独立すると困る人々が多いと思いましたが、なんと45%もの人が独立を支持したというのは驚きでした。
日本もイングランドと同様な管理社会化が進んでいるので、別の選択肢がある国はうらやましく思います。日本のほとんどのマスメディアが、グローバル化が進むのが自然のなりゆきだと視聴者に刷り込もうとしているのがおぞましい。やはり自民党の対立軸であるべき民主党が、監視社会と新自由主義(新自由主義社会では明らかな負け組=犯罪予備軍が多数となるので、彼らを監視し抑圧するシステムが必要になる)に反対する立場を明確にしないと、国民の選択肢が限られてしまいます。前原や長島がこれに反対するなら維新にでも出て行ってもらえばいいでしょう。沖縄が分離独立するにしても、グローバル化に反対する人々が集結して住むには狭すぎます。
グローバル化は多国籍企業の利益を最大化させるためのシステムであり、それによってもたらされる被害ははかりしれないものがあります。生物学的に言っても、社会の均質化は大きな絶滅のリスクを伴います。
スコットランドの住民投票を受けて、カタルーニャでも11月9日に独立是非の国民投票を行うことを州議会が決定しました。カタルーニャの場合は少しスコットランドとは異なっています。カタルーニャの人々はスペイン語ではなく、全く違った語源のカタラ語を話していますし、もともとソ連など外国の介入がなければ、スペイン内戦後には独立していたはずの地域で、スコットランドとは比べものにならないくらい民族意識が強いと思われます。英国と違って政府がこの住民投票を認めていないので、ひともんちゃくあることは間違いありません。暴力的な対決にならないことを祈りたいです。そうなればリーガ・エスパニョーラもクラシコも消滅です。
グローバル企業が国家を使って世界のグローバル化を進めようとすればするほど、ローカル化=国家の分裂が進むことは避けられません。領土を持って別れることができればいいですが、国民が対立したまま同じ土地で暮らさなければならないのは悲劇です。
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