フルシャ-都響 マルティヌー:カンタータ「花束」@サントリーホール2014年9月8日
ようやく咳も出なくなって、月曜日の演奏会にぎりぎりで間に合いました。先週の金曜日には、とてもこの演奏会にはいけそうもないと思っていたので、不幸中の幸いでした。本日のコンマスは山本さん、サブはゆづきです。山本さんの体型崩壊は私よりひどい感じで、何とかした方が良いと思いました。まあ音は崩壊してませんでしたが。
月曜夜のコンサートとしては7~8分の入りで、結構賑わっていた方ではないでしょうか。マルティヌーのシンフォニーは第3楽章以外はよく理解できませんでした。特に第4楽章はスクリャービンのシンフォニーのようにただの騒音にしか聞こえませんでしたね。
一方で、後半のカンタータ「花束」は大変面白い作品で、大いに楽しめました。ソリストを全員チェコから招聘するという力の入れようで、ピアノ2台とハルモニウム、混声合唱に、児童合唱まではいる大規模な編成の曲ですが、内容は中世農村のお祭りの出し物という感じで、普段教会や領主に抑圧されていた鬱憤を晴らすという趣旨なのでしょう。
8曲の構成ですが、どの曲も聴衆を飽きさせないウィットやエンターテインメントに満ちたせりふと音楽で楽しませてくれます。マルティヌーはモラヴィア地方に伝承される民俗詩をメインの素材として曲を制作したそうです。例えばクリスマス・キャロルは、民族衣装で出演した児童合唱団がなかなかかわいいアダムとイヴの物語ですが、まるで神と悪魔がしめし合わせたペテンにはめられて、アダムとイヴがリンゴを食べさせられたというようなお話になっていました。
1前奏曲(シンフォニーからは想像できないくらいきれいに整理された佳曲)
2毒を盛る姉(ドラマティックな展開で、最後は姉が壁に埋められる)
3牧歌(のどかな雰囲気がいいですね)
4牛飼いの娘達(ソリストが素晴らしいし、合唱とオケのからみも美しい。ソプラノの金城さんは代役出演でしたが、とても可愛い声でした。プラハ国民劇場専属歌手だそうです)
5間奏曲
6家族に勝る恋人(農家というのは昼も夜も家族との生活なので、それなりにストレスもたまるのでしょう 中世でもお金を払えば出獄できたんですね この曲でもソリストが大活躍)
7クリスマス・キャロル(上述のアダムとイヴのお話)
8人と死神(死神は突然現れ、どうにもなりません 鈴木さんのビオラが奏でるエレジーがせつない)
フルシャはチェコ国外でこの曲を演奏するのははじめてだそうですが、チェコでは昔から定番の曲らしく、カレル・アンチェル盤はじめ、多くのCDが出版されているようです。今夜の演奏も、歌手・コーラス・オーケストラすべて好調でうまくいったので、是非CDを出版して欲しいですね。フルシャにミーハー的人気があるとみて、終了後サイン会を用意した都響ですが、人は集まってないようでした。なお彼は2018年まで契約を延長したそうです。
YouTube:
https://www.youtube.com/watch?v=6bgw91NYObM
https://www.youtube.com/watch?v=rSVb4PO-TSE (コーラスとイングリッシュホルンが美しいクリスマス・キャロルが冒頭から楽しめます)
https://www.youtube.com/watch?v=Guxu1ZYdWtA
フルシャによる解説: https://www.youtube.com/watch?v=5zgRIflUi8M
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