従軍慰安婦問題の裏側
従軍慰安婦の実態については、当時の兵士の多くの戦記や回顧録などに記してあるので、ほぼどんなものであったかはわかると思います。日本軍が直接強制連行したことはあったとしてもレアケースだと思います。ただそうであっても、慰安所の設置や管理、慰安婦の募集や移送について日本軍が関与したことは疑いのない事実でしょう。韓国政府も日本政府もそれぞれの思惑で、焦点を強制連行にしぼりたいようですが、すこし掘り下げれば他にも問題があることがわかります。
問題の核心は、兵士たちが慰安婦に軍票(限りなくニセ札にちかい紙幣)で代金を支払ったということです。中には軍隊が現地の市民から略奪してきた金品で支払った例もあるようですが、上部でそんな指令を出しても、いつも都合良く略奪できるとはかぎりません。まして娼館ではなく戦闘部隊に随行するように楼主から指示された慰安婦は悲惨です。軍隊ですから敵から爆撃・砲撃を受けるのは当然で、慰安婦たちも命がけです。命がけで辛い仕事をして、風呂敷いっぱいの軍票を集めて運びながら将来を夢見ていたはずが、その軍票は紙くずと化して「ただ働き」になったわけで、このことについてお世話になった軍人たちやその遺産を相続した人々(または国家)は、彼女たちに借りがあると考えるべきではないでしょうか? 少なくとも彼女たちに正当な料金を支払う道義的責任があると思います。
http://www2.ocn.ne.jp/~adult/ianfu/gunhyo.html
http://www10.ocn.ne.jp/~war/gunpyou.htm
大岡昇平のレイテ戦記などを読むと、当時の日本政府はフィリピンなどでは現地の通貨を廃止して新しい紙幣を刷り、その紙幣と旧通貨との交換を拒否するというようなえぐすぎる政策もやっていたようです。これも日本人が作った借りだといえるでしょう。従軍慰安婦問題以外でも、こういうことについてはちゃんと借りを返すべきだと思います。
(写真はウィキペディアより)
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