食糧自給率
日本の2012年度の食糧自給率は39%となることが、農水省から発表されました。
http://dailynews.yahoo.co.jp/fc/domestic/food_self_support/?id=6087178
これでは2009年度の40%からむしろ後退しており、2020年度に50%達成などという計画は夢のまた夢です。計画をたてればいいってものじゃないでしょう。これから放射能汚染により国内で食べられるものは減っていきます。ましてやTPPに参加すればさらにがっくり落ち込むことは確実で、日本の食料安全保障は危機的な状況に陥ります。日本政府は狂っているとしか思えません。
食料自給率(カロリーベース)
1961年 2009年
日本 78% 40%
米国 119% 130%
フランス 99% 121%
ドイツ 67% 93%
イギリス 42% 65%
イタリア 90% 59%
http://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/0310.html
上の表を見ると、イタリアをのぞき欧米諸国はここ50年ほどで自給率を増やしてきました。この中には同じ戦敗国であるドイツも含まれています。米国を除く各国は広大な土地を持っているわけではありません。集約的な農業をやっているわけでもありません。にもかかわらず、自給率が増えたのは政策によるものと思われます。日本も政策の大転換を計るべきで、もちろんTPP参加などあり得ません。減反などもってのほかで、米でパンをつくってでも自給率を増やすべきでしょう。
ドイツでは飛躍的に自給率が増えていますが、別に株式会社による農業を導入したわけではなく、家族経営が中心と言うことで、日本でよく言われる株式会社の参入というのとは別のやり方でも自給率上昇は不可能ではないことが証明されています。
会社員による農業というのはあまり好ましいとは思えません。冬は遊んでいてもよくて、あるいは別の仕事をして、夏は休みなしという会社員はめずらしいでしょう。9時5時というわけにもいかないでしょうし。結局会社は外国企業で、働き手は派遣の非常勤社員ということになりそうです。それに例えば日本海の漁業は会社主導で行われたため、もう資源が枯渇しそうだというのに、会社が赤字を出すわけにはいかないので根こそぎとりまくったため、本当に枯渇してしまって魚がいない状況を招いてしまいました。農業も会社でやれば、大量の農薬をまいてでも、モンサントの種を導入してでも、利益拡大につきすすみ、いきつくところまでいかないと歯止めがきかないという事態になりそうです。
http://www.jc-so-ken.or.jp/pdf/agri/research_report/izumi/eu15.pdf
いま政府がやるべき事は、戦争を回避するための外交を除けば重要な順に
1.福島第一原発事故の後始末をきちんとやる。
2.食糧自給率が10年後には60%くらいになるよう計画を立てて、断固実行する。
3.原発にかわるエネルギーを供給するための計画をたてて、ただちに着手する。
この三つが出来るめどが立たないと、次には進めないでしょう。
http://contents.kids.yahoo.co.jp/shokuiku/agriculture/worldfood3/01.html
最近「肉食の勧め」をテレビでやっているのを見ましたが、これはダメですね。特に牛肉はダメです。
肉1kgを生産するのに要する穀物量:
http://166.119.78.61/j/study/syoku_mirai/pdf/data2-1.pdf (7ページ)
牛肉 11kg、豚肉 7kg、鶏肉 4kg、鶏卵 3kg
牛肉を食べるためには、大量の穀物を消費することが必要になります。そのこと自体が世界の飢餓を促進することになります。いっそのこと牛肉・豚肉の消費を減らすべく、日本人は国内でも育てやすい鶏や、プールで飼育する魚を食べるべく誘導するという政策をやってはどうでしょうか。まあそこまでいかなくても、日本人に牛豚肉を主菜として食べるよう仕向けるCMやテレビ番組は、米国やオーストラリアの肉を日本人に食べさせるようしむけるという意図を持って流されていると警戒するべきでしょう。実際若い人の食生活はまんまとその意図にはまってきているわけで、ここまで食生活の変換を進めてきた、あるいは放置してきた政府の責任は重いと思います。
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