フルシャ-都響のアルプス交響曲@サントリーホール2013年6月26日
本降りの雨中をサントリーホールに出かけました。CDも発売されて、いよいよフルシャー都響の本格的な始動です。チケットはほぼ完売だそうです。マイクが林立していて、今日も収録する予定のようです。裏通路にモニターやコントローラーが数台設置してあり、係員がたむろしていました。今日のコンマスは山本さん。サブはマキロンです。
最初の曲はショパンのピアノコンチェルト第2番。ソリストはまだティーンエイジャーのヤン・リシエツキです。金髪痩身の貴公子という感じです。音楽も自在かつ気品も感じられる、10代にして早くも完成品の雰囲気があります。文句のつけようがないですが、私的には出来上がりすぎている感じが、ちょっと物足りなく思いました。
事件が起きたのは第2楽章。フルシャが気合いを入れすぎたのか、タクトで譜面台をたたいて、タクトが吹っ飛んでしまいました。マイクが音を拾っているとすると、めずらしいお宝もののCDができそうです。しばらくタクトなしてやっていましたが、第二ヴァイオリンのメンバーが拾って、フルシャに良いタイミングで渡して一件落着。ハラハラしました。インバルはタクトを飛ばしてから予備のタクトを持参しているとききましたが、フルシャも後半は2本もってきていたみたいです。
リシエツキは大喝采に気をよくしてか、アンコールにショパン練習曲作品25-12を演奏してくれました。ここでブレイク。
後半はリヒャルト・シュトラウスのアルプス交響曲。この曲が作曲されたのは1914~1915という第一次世界大戦の最中で、シュトラウスは人々が戦争の狂気に巻き込まれていた時代に、阿鼻叫喚の世界を逃れ、登山の音楽をつくっていたわけです。フルシャ-都響は周到に準備して、ぞくぞくするような名演を繰り広げました。実に素晴らしい登山を楽しんだ気分です。有馬さんが一回当たらなかった場所があったのが、画竜点睛を欠きましたが、ホルンは最初の一音がとても難しそうですね。なんとか編集で修正されるのではないでしょうか。
この交響曲には、サンダーマシンというめずらしい楽器が登場します。私ははじめて見ました。高さ3メートル、幅1メートルくらいの巨大なトタン板のようなものがバーにつるしてあります。横に軍手が置いてあったので、ひょっとして軍手をはめて ”どつく" のかと思っていたら、後ろに回って軍手をはめた手で両脇をつかみ、思い切り前後にゆするという演奏法でした。納得・・・。
フルシャの演奏は変なアゴ-ギグなんてほとんどやらないで、音楽とオケの自然エネルギーの噴出を手助けするというスタンスがいいですね。ただ今日は演奏の数秒前に脇から高橋さんを登場させ、ひとしきりポストホルンを吹いてまた退場という面白い趣向がありました。ここポストホルンでやるのはなかなか雰囲気が盛り上がってOKですね。
余談ですが、中高生の頃クラブのメンバーを生物のT先生がよく山に連れて行ってくれましたが、そのとき彼はいつもアルプス交響曲の楽譜を持ってきていて、生徒達が騒いでいるあたりから離れた山小屋の隅で、ひとりページをめくっていました。中学生を連れて南アルプス鋸岳縦走などという、とんでもない山行もありましたがよき時代でした。
こんな曲です
http://www.youtube.com/watch?v=x7IRty77WTY
↑このオケ 都響メンバーもちらほら
全曲:http://www.youtube.com/watch?v=of-HTMQpO9I
wikipedia より↓
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