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2013年6月27日 (木)

フルシャ-都響のアルプス交響曲@サントリーホール2013年6月26日

Imgddd本降りの雨中をサントリーホールに出かけました。CDも発売されて、いよいよフルシャー都響の本格的な始動です。チケットはほぼ完売だそうです。マイクが林立していて、今日も収録する予定のようです。裏通路にモニターやコントローラーが数台設置してあり、係員がたむろしていました。今日のコンマスは山本さん。サブはマキロンです。

最初の曲はショパンのピアノコンチェルト第2番。ソリストはまだティーンエイジャーのヤン・リシエツキです。金髪痩身の貴公子という感じです。音楽も自在かつ気品も感じられる、10代にして早くも完成品の雰囲気があります。文句のつけようがないですが、私的には出来上がりすぎている感じが、ちょっと物足りなく思いました。

事件が起きたのは第2楽章。フルシャが気合いを入れすぎたのか、タクトで譜面台をたたいて、タクトが吹っ飛んでしまいました。マイクが音を拾っているとすると、めずらしいお宝もののCDができそうです。しばらくタクトなしてやっていましたが、第二ヴァイオリンのメンバーが拾って、フルシャに良いタイミングで渡して一件落着。ハラハラしました。インバルはタクトを飛ばしてから予備のタクトを持参しているとききましたが、フルシャも後半は2本もってきていたみたいです。

リシエツキは大喝采に気をよくしてか、アンコールにショパン練習曲作品25-12を演奏してくれました。ここでブレイク。

後半はリヒャルト・シュトラウスのアルプス交響曲。この曲が作曲されたのは1914~1915という第一次世界大戦の最中で、シュトラウスは人々が戦争の狂気に巻き込まれていた時代に、阿鼻叫喚の世界を逃れ、登山の音楽をつくっていたわけです。フルシャ-都響は周到に準備して、ぞくぞくするような名演を繰り広げました。実に素晴らしい登山を楽しんだ気分です。有馬さんが一回当たらなかった場所があったのが、画竜点睛を欠きましたが、ホルンは最初の一音がとても難しそうですね。なんとか編集で修正されるのではないでしょうか。

この交響曲には、サンダーマシンというめずらしい楽器が登場します。私ははじめて見ました。高さ3メートル、幅1メートルくらいの巨大なトタン板のようなものがバーにつるしてあります。横に軍手が置いてあったので、ひょっとして軍手をはめて ”どつく" のかと思っていたら、後ろに回って軍手をはめた手で両脇をつかみ、思い切り前後にゆするという演奏法でした。納得・・・。

フルシャの演奏は変なアゴ-ギグなんてほとんどやらないで、音楽とオケの自然エネルギーの噴出を手助けするというスタンスがいいですね。ただ今日は演奏の数秒前に脇から高橋さんを登場させ、ひとしきりポストホルンを吹いてまた退場という面白い趣向がありました。ここポストホルンでやるのはなかなか雰囲気が盛り上がってOKですね。

余談ですが、中高生の頃クラブのメンバーを生物のT先生がよく山に連れて行ってくれましたが、そのとき彼はいつもアルプス交響曲の楽譜を持ってきていて、生徒達が騒いでいるあたりから離れた山小屋の隅で、ひとりページをめくっていました。中学生を連れて南アルプス鋸岳縦走などという、とんでもない山行もありましたがよき時代でした。

こんな曲です
http://www.youtube.com/watch?v=x7IRty77WTY

↑このオケ 都響メンバーもちらほら

全曲:http://www.youtube.com/watch?v=of-HTMQpO9I

wikipedia より↓

夜 Nacht
B mollの下降音階が順番に重なっていく不協和音(夜の動機)により開始される。金管楽器による山の動機が静かに登場する。何重にも分かれた弦楽器により音が厚くなっていく。
日の出 Sonnenaufgang (練習番号7)
A dur の太陽の動機がffで出てくる。調性を変えながらメロディーは引き継がれたあと、ゲネラルパウゼとなる。
登り道 Der Anstieg (練習番号11~12)
低音弦楽器による山登りの動機から始まる。流れるような旋律になった後、岩壁の動機が現れ、舞台裏でホルンを中心とした金管楽器のファンファーレが奏される。
森への立ち入り Eintritt in den Wald (練習番号21)
弦楽器の 16分音符の中、トロンボーンとホルンによる旋律が奏され、それに山の動機が絡んでくる。
小川に沿っての歩み Wanderung neben dem Bache (練習番号37~38(ピッコロのパート譜に記載あり))
小川のせせらぎの音が聞こえるが、登りであるので山の動機も重ねられる。
滝 Am Wasserfall (練習番号40~41)
岩壁の動機に、弦楽器と木管楽器・ハープ・チェレスタによる滝の流れが重ねられる。
幻影 Erscheinung (練習番号42)
水の中にオーボエの旋律による幻影が見えてくる。最後にホルンの旋律が出てくる。
花咲く草原 Auf blumigen Wiesen (練習番号47)
山登りの動機が静かに聞こえてきたあと、曲は快活になる。
山の牧場 Auf der Alm (練習番号50~51)
カウベルによる牛の擬音が鳴る中、牛の鳴き声とアルプホルンを模したホルンの音が聞こえてくる。その後、ホルンの旋律とともに登山者は道に迷う。
林で道に迷う Durch Dickicht und Gestrüpp auf Irrwegen (練習番号59)
山登りの動機と岩壁の動機が出てくる。そして山の動機が現れ、次へとつながる。
氷河 Auf dem Gletscher (練習番号67~68)
明るくなり、山登りの動機が現れる。
危険な瞬間 Gefahrvolle Augenblicke (練習番号71~72)
遠くから雷鳴(ティンパニのロール)が聞こえてくる。
頂上にて Auf dem Gipfel (練習番号76~77)
和音が響いた後、トロンボーンが頂上の動機を鳴らし、オーボエが訥々と旋律を奏でる。そして幻影で出てきたホルンの旋律が再び現れる。山の動機と太陽の動機が一体となる。
見えるもの Vision (練習番号87~88)
頂上の動機が和音の下から現れたあと、太陽の動機が管を追加してまた登場する。
霧が立ちのぼる Nebel steigen auf (練習番号97)
ファゴットとヘッケルフォーンが不安げな旋律を奏でる。
しだいに日がかげる Die Sonne verdüstert sich allmählich (練習番号98)
太陽の動機が短調で登場し、太陽が翳ってきていることを表している。
哀歌 Elegie (練習番号100)
弦楽器により、登山者は悲しげな歌を口ずさむ。
嵐の前の静けさ Stille vor dem Sturm (練習番号103~104)
遠くから雷(バスドラムとサスペンデッドシンバル)が聞こえてきて、だんだん暗くなってくる。ぽつぽつと降り出した雨(ヴァイオリン・フルート・オーボエ)は、次第に激しくなってくる。そして、風が吹き出してくる(ウィンドマシーン)。
雷雨と嵐、下山 Gewitter und Sturm, Abstieg (練習番号109~110)
オルガンの和音とウィンドマシーンによる風の吹く中、登山者は下山する。これは山登りの動機を転回し、逆の順序で用いることで表されている。強烈な稲妻が光り、最後にはシュトラウス特注のサンダーマシーンにより落雷が起こる。その後はだんだん静かになってくる。
日没 Sonnenuntergang (練習番号129)
太陽の動機が転回され、日没を表している。登山者は哀歌を口ずさむ。
終末 Ausklang (練習番号134)
オルガンにより太陽の動機が奏され、山登りの動機も回想的に使われ、あたりは暗くなってくる。
夜 Nacht (練習番号144~145)
冒頭部の夜の動機がまた現れ、山の動機とともに静かに終わる。

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