都響定期カルミナ・ブラーナ@サントリーホール2013年3月29日
春になってコンサートもたけなわとなってきました。私も頑張って足を運ぼうと思います。溜池山王の駅から長い地下道を歩いてエスカレーターで地上に上がると、そこは桜坂。まだ桜が咲いていて、ライトアップされていました。
昨夜は都響のB定期です。チケットは完売だったそうですが、意外に空席が多く、定期会員のなかにパスした人が結構おられたようです。本日のコンマスは矢部ちゃんで、サブは四方さんです。前半はモーツァルトの交響曲第40番。これはマエストロ小泉の考え方がはっきりしていて、暗い音楽としてとらえず、エネルギッシュで筋肉質な演奏です。いつ聴いても素晴らしい音楽です。小泉さんもこの曲は特別に愛しておられるのではないかと思いました。
そして後半はオルフの「カルミナ・ブラーナ」。ミュンヘンの南にあるボイレン修道院の図書室にあった中世の歌に、カール・オルフが20世紀になってから曲をつけたものです。歌は決して宗教歌ではなく、内容的に言えば、「運命はきまぐれだ」からはじまり、「冬は嫌だ 春よ早く来い」とか「俺は何でこんなに運が悪いんだ」とか「恋人が欲しい」とか、はては酔っ払いの叫びとかの雑多なものです。合唱(栗友会・武蔵野音大)と児童合唱(東京少年少女合唱隊)が大活躍します。
この南ドイツ特有の臭気爆裂の迷曲を、よく日本のオケがここまで演奏出来たなと思います。ある意味フランクな都響の雰囲気がこの曲に合っていたのかもしれません。ソリストもテノールの経種(いだね)さんがファルセットで歌うので異様な雰囲気ですし、バリトンの萩原さんは酔っ払いの演技をしながら(小泉さんも懐抱する演技)歌うのがおかしいですし、屁もこきます(チューバ)。さすがにソプラノの澤畑さんには美しい曲もありましたが(「私のいとしい人」)・・・。
オケは巨大編成で、ピアノが2台にチェレスタまであり、そのほか多数の打楽器でステージ上はぎっしり。1セットのティンパニを2人でたたくのははじめてみました。なんだか同じ弁当箱を2人でつついている感じで違和感ありました。ピッコロティンパニというのがあるんですねえ。フルートはしょっちゅうピッコロとの持ち替えで大変そうでした。
巨大編成の大曲ですが、さすがにマエストロ小泉はツボをはずさず、最後もきっちり整理してまとめるというGJ。会場のあちこちからブラボーの声があがりました。今期最後の定期演奏会ということで、演奏終了後の拍手の中で、退職する方々に花束が渡されました。ヴァイオリンの中根さんと水山さんが、永年の健闘を称え合うように抱き合っておられたのが印象的でした。
こんな曲です
http://www.youtube.com/watch?v=MPjy55Y6hWU
http://www.youtube.com/watch?v=VNJy8UCw1gM
http://www.youtube.com/watch?v=n-DgS75lfmw
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