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2012年10月23日 (火)

インバル都響 ブラームス交響曲第2&4番@サントリーホール

Toサントリーホールでブラームスの交響曲第2番と第4番の都響演奏会です。2月のヴォルコフ指揮の演奏(ブラームス交響曲第3番)が大変素晴らしかったので、今回も期待したいところです。17日の交響曲第1番・第3番のコンサートは諸般の事情でパスしました。

本日の指揮はマエストロ・インバル、コンマスは山本さん、サブはゆずきさんです。少し前に到着すると木管の団員が大勢ステージで練習していて、異様な光景でした。いったん楽屋に入ることもなく、開始のベルが鳴ってみんなが入ってくるのを待っていました。チケットは完売だそうですが、意外なくらいそこここに空席がありました。

今回は第1Vnの四方さん、矢部ちゃん、マキロンがお休みの裏ローテーションという感じです。フルート、オーボエ、クラリネット、ファゴットはそれぞれ4人、ホルンは5人という大編成。トランペットは2本。

前半は交響曲第2番ですが、何か第1Vnの音がややキンキンして変。こういうのは初めての経験です。ただホルンをはじめとして若手の管楽器奏者達は大変素晴らしい演奏でしたし、低弦も美しい音でした。第2番はたとえてみれば、ちり一つない庵で清冽な水の流れの音を聴いていると、そこに一陣の風が吹いてくるというようなさわやかな演奏で、そのぼってりとした風貌とは裏腹に、マエストロ・インバルが都響とやろうとしている整理整頓された風通しの良い音楽がみえてくるような感じがしました。それはそれで、日本人がドイツの古典音楽を演奏するときに、向いていると思われるひとつの方向性だと思います。しかし私は都響にここまで(↓)めざして欲しい。

http://www.youtube.com/watch?v=B6aGjNvMUgM&feature=related

第4番は私としてはブラームスの交響曲の中で最も好きな曲です。これは第2番と少し方向性が違って、濃厚で重量感のあるインバル都響の演奏でした。第1楽章はみんな少しアンサンブルに神経質になっていたかなという感じがしましたが、第2楽章からは歌心豊かで、かつしっかりまとまった感じになってきて非常に楽しめました。第3楽章・第4楽章は勢いがある緊密なアンサンブルで、さすが都響というところをみせてくれました。私的にはこれで十分満足できました。

交響曲第2番でのVnの音は、もし私の耳がおかしいのでなければ、ブラームスなどを演奏するときのインバル-都響の課題になるかもしれません。調整して欲しいと思います。

余談ですが、ティンパニの久一(ひさいち)さんは、上から見ているとものすごくめだちます。演奏がひとしきり終わると、すぐ鼓面を指でたたきながら、耳をくっつけて音程調整。ときにはマレットで少したたいて調整(ってきこえてるじゃん!)。たたいたとたんにクビをかしげたりしますが、私は一度も変だと思ったことがなくて、さすがに音楽家の耳ってすごいんだなといつも感心しています。

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コメント

私は 1階最前列左手で聴きました。ステージに近いのはいいですね。迫力があり、気持ちが伝わってきます。速めのテンポで男性的なブラームス。最前列だけに、第1ヴァイオリンの荒っぽさは感じましたが、集中力のある感動的な音楽がうなっていました。インバルはケレン味なく、あるがままの音楽を的確に響かせ、心を揺さぶるクライマックスを築きました。東京文化会館の3,1番よりも良かったと思いますがいかがでしょうか。

投稿: O.K. | 2012年10月23日 (火) 19:32

> O.K. 様

残念ながら東京文化会館の3,1は聴けませんでした。

でもインバル都響の1番は以前にすでに聴きましたし、2月のヴォルコフの3番も素晴らしかったですね。

今回も4番は大変感動しました。しかし2番はもう少し情緒のある音楽が都響なら可能なのではないかと思いました。
たとえば↓
http://www.youtube.com/watch?v=B6aGjNvMUgM&feature=related

投稿: monchan | 2012年10月23日 (火) 20:55

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