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2012年9月 9日 (日)

高山植物12(千枚岳から悪沢岳)

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チシマギキョウ Campanula chamissonis (キキョウ科) 写真のように、ごくわずかしか土がない岩の隙間のようなところに生えている場合が多いです。チシマギキョウは礼文島では平地に生えていますが、近縁のイワギキョウは利尻島の中腹以上に登らないとみられないようです。イワギキョウは南アルプスではなかなかみつからないようです。

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シロウマオウギ Astragalus shiroumensis (マメ科) オウギとは黄耆と書き、漢方の生薬です。止汗・利尿作用があるそうです。白馬という名前がついていますが、南アルプスでも生育しています。

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イワオウギ Hedysarum vicioides  (マメ科) シロウマオウギとよく似ていますが、属も異なる別種です。

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ミヤマムラサキ Eritrichium nipponicum  (ムラサキ科) ムラサキ科には有名な「忘れな草」がありますが、ワスレナグサはヨーロッパ原産の植物。ミヤマムラサキは日本固有種ムラサキの高山型です(ただし別属なのでそれほど近縁ではない)。ムラサキは昔から生薬「紫根」の材料として用いられてきましたが、なんと今や絶滅危惧種だそうです。

実は筆者は、紫根の成分の一つであるシコニンについて少し縁があります。記事を書いていてなつかしい感じがしました。シコニンは抗炎症作用を持つ物質です。日本最初の女性化学研究者である黒田チカ氏による構造研究が有名です(http://archives.cf.ocha.ac.jp/)。

シコニンの化学構造↓

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