毛髪研究者と会う
名古屋から私の話を聞きにわざわざ来てくださるという奇特な方とお会いしました。久しぶりで毛髪の専門家(しかも若くて美人)とお話しできて、なかなか楽しいひとときでした。毎日電子顕微鏡で毛髪の写真を撮影していた頃がなつかしく、当時撮影した写真を1枚アップします。ラットの毛の横断面です。まだ角質化途上にある部分を撮影したものですが、a では内毛根鞘小皮細胞の内側(右側)にケラチン繊維が蓄積して角質化しつつあります。一方キューティクル細胞(3層)は外側から角質化していきます(b 黒っぽい部分 は特に顕著)。コーテックスは外側からでも内側からでもなく、ランダムに角質化します。段取りはいろいろなのですが、どの細胞も最終的にはケラチン繊維でパンパンに満たされてしまいます。
キューティクルとコーテックスは毛になり、内毛根鞘小皮はフケになります。電子顕微鏡じゃないと見えないような微細なところでも、一定のルールにしたがってきちんと毛髪が形成されていくというのは驚異です。まあ毛に関心のない方にはどうでもいいことですが。
頑張って働いていた電子顕微鏡も、リストラでスクラップとなり残念でした。私の写真は彼の遺書の一節だと思っています。
おみやげに赤福餅をいただきました。帰宅して早速試食しましたが、昔と変わらぬ美味でした。有難うございました。またどこかでお会いして、お話を伺うのを楽しみにしております。
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