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2011年12月15日 (木)

2011.12.14 都響ショスタコーヴィチ「交響曲第5番」@オペラシティー

Img_1451bセキ以外の風邪の症状は完治したのですが、そのセキがコンサートでは大問題です。セキ止めを飲むわけですが、どうも1時間に1回くらいは来てしまいそうだと経験上予測できます。チケットを捨てるわけにも行かないし、ということで不安を抱きながらも出かけることにしました。場所は初台のオペラシティです。

サンクンガーデンにはツリーが飾ってありました。かなり寒いので、ストリートミュージシャンはいませんでしたし、外で食事している人もいませんでした。例によってパスタ・フローラで軽食。

https://morph.way-nifty.com/grey/2011/10/20111029-3f59.html

Img_1454b今回は「キタアカリと生ハムのピザ バルサミコソース」580円を選択。チケットを見せると例によって10%引きになります。この内容で・・・安い、しかも旨い。食べ終わって、さてホールの方に進むと階段のイルミネーションがきれいでした。今年は池袋の芸術劇場の改造・改装で、何度かここに来ましたが、夜はこうなるとは・・・はじめてだったのでびっくりしました。

Img_1458b今日はショスタコーヴィチのチェロ協奏曲第2番と交響曲第5番。12日も同じプログラムで東京文化会館でやっているはずですが、久しぶりのインバル登場と人気曲ということもあり、ほぼ満員の盛況。メンバーが出てくると、何か肩に力が入っていて、異様な緊張感が漂っています。ソリストのリプキンも含めて「今日はヤッテヤルゾーという」殺気がみなぎっている感じです。

今日のコンマスは矢部ちゃんですが、何とサブは四方さん。都響も肩に力がはいっているのか? チェロ協奏曲第2番は聞き覚えのない曲でしたが、リプキンの凄腕もあって大変楽しめました。この曲を聴いていると、雅楽や祭り囃子に似ている部分があり、ひょっとしてショスタコーヴィチは当時、日本の音楽を研究していたのではないかと思いました。

万雷の拍手に気をよくしてか、リプキンがアンコールをやったのですが、このバッハの無伴奏は、まるで夢の中で遊んでいるような音楽でびっくりしました。緊張感が一気になくなって、いつも自分の部屋で弾いているような感じで演奏したのだと思います。

1b後半の交響曲第5番は演奏会が始まる前に感じたとおり、いつもの都響らしからぬ異様な力演・爆演で凄い音が出ていました。ところが私の方は、第3楽章の終わりの矢部コンマスが渾身のピアニシモをやっているところでセキがこみ上げてきて、これを鎮圧するのに死にものぐるいで、やっと押さえきったのですが、いいところを楽しめなかったのは本当に残念でした。そういえば矢部ちゃんも楽章の間でクスリを飲んでいましたが、あれもセキ止めだったのでしょうかねえ。お互いに責任を果たせて良かったです。

私の知っている20世紀は何もなかった時代ですが、20世紀の前半は人類史上最大の戦争・虐殺・弾圧・処刑が行われた時代で、その雰囲気と切っても切れないのがショスタコの音楽です(本人にとっては有り難くない話だと思いますが)。私はベートーヴェンの第九の歓喜の歌より、このショスタコーヴィチ交響曲第5番の終楽章のコーダの方により歓喜の真実味を感じます。それはショスタコーヴィチの才能と言うより、彼が生きていた時代がそうさせたのだと思います。

都響をここまで育てたのはマエストロ ガリー・ベルティーニで、1998-2005年が彼の時代だったのですが、来年はじまるマーラーツィクルスに寄せて、マエストロ インバルが興味深いことを月刊「都響」に書いています。インバルは1994~1996年に都響とマーラー全曲をやっているのですが、再度2007年からマーラーのシンフォニーを取り上げたときに「(この間に)都響は大きな成長を遂げ、高い集中力と深い理解、色彩豊かで、リズミックなアーティキュレーション、透明性、美しい豊かな響き、雰囲気以下略・・・・・を手に入れたのです」と感じたそうです。そう都響を育てたのはベルティーニで、インバルはその遺産で思い通りの演奏をやっているのです。

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