レイチェル・カーソン
レイチェル・カーソン女史はもう50年近く前に亡くなった方ですが、環境問題を提起した最初の研究者とされています。私が大学に入学した頃は全く環境問題などには関心がなかったのですが、たまたまはいったクラブに環境問題に関心を持つ先輩が居て、カーソンの「サイレント・スプリング(沈黙の春)」とオダムの「生態学入門」を読まなければ部員として情けないと、半ば強制的に読まされました。内容は農薬散布によって鳥がいなくなり、春になっても鳥の声が聞こえないというものだったと思います。日本でも確かに田んぼにサギが全くいない時代があったと思います。「沈黙の春」は現在も出版されていますが、最近「失われた森-レイチェル・カーソン遺稿集」という本が集英社文庫から出版されています。
http://www.env.go.jp/chemi/communication/taiwa/text/seitaikei.pdf
津波は天災ですが、原発被害は人災です。カーソン女史が生きていれば現在の日本をどう思うでしょうか? あまり報道されませんが、千葉県も大きな被害を受けました。銚子の知人によると、銚子では早く逃げたのが功を奏して死人はいなかったようですが、旭市の方では二階まで届く津波で、人命が失われたほか、建物・施設・車の被害は大きかったようです。港の施設は壊滅したとのことです。銚子の知人の家では水道がストップしたままで、井戸を復活させて利用しているとのことでした。
福島原発による海洋汚染はものすごいものがあります。銚子の漁業は津波の被害からはかなり復活したようですが、生物には濃縮作用があり、食物ヒエラルキーの上位のものほど濃縮は進みます。例えばプランクトンでA倍濃縮、プランクトンを食べる小魚でB倍、小魚を食べるマグロでC倍とすると、計AxBxC倍に濃縮されます。したがって拡散によって汚染がうすまるとはいっても、いずれ魚からも放射能が検出されるでしょう。魚好きの私にとっては悲しい予測です。
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