生物濃縮 ・・・ 銚子のサンマよ永遠に
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水産庁「セシウムよりも海水の方が浸透圧が高いため、魚が摂取したセシウムはエラなどから体外に排出される」
「水産物への濃縮・蓄積はほとんどなし」
はぁ??? どう説明したらいいのか、さっぱりわからない文章です。文科系の人間が書いたとしてもねえ orz・・・。
少なくとも水産物への濃縮・蓄積がほとんどないはずはありません。
参考文献↓
海産生物と放射能――特に海産魚中の137Cs濃度に影響を与える要因について――
笠松不二男 (財)海洋生物環境研究所
RADIOISOTOPES, 48, 266-282(1999)
http://www.journalarchive.jst.go.jp/jnlpdf.php?cdjournal=radioisotopes1952&cdvol=48&noissue=4&startpage=266&lang=ja&from=jnlabstract
図11あたりをみれば、科学的根拠をもって蓄積が認められています。
「海中に放出された放射性物質は薄まるとともに、数千メートル下の海底に沈殿するため、水産物に影響を与え続けることはない」
これも理解に苦しみますねえ。どういう根拠でこんな考え方が成立するのか教えてほしいです。沈殿する物質なら、薄まらずに単に海底に濃縮されると思いますが? どこの海に沈殿しても、コロコロと海底数千メートルまで転がっていくのでしょうか? はて
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コメント
私も水産庁見解が報道された直後疑問に思い、ウィキから笠松氏の調査にたどり着きました。何故報道されないのか甚だ疑問です。まかり間違えば先々、未必の故意により多くの方々が癌に罹患しかねない話だとさえ思います。海洋生物研究所の役員に数名、電力出身者が見受けられるのも皮肉に感じます。
投稿: カキ | 2011年4月 9日 (土) 16:26
> カキ様
はじめまして。海洋生物研究所の役員に電力出身者が数名もいるというのは驚きです。
さすがに水産庁もこの見解はひっこめたようですが、こんな見解を出してしまうようでは情けないですね。
投稿: monchan | 2011年4月 9日 (土) 19:59
こんにちは、リプライ感謝です。
水産庁のHPではいまだに「たとえ放射性セシウムが魚の体内に入っても蓄積しません」との記述、http://www.jfa.maff.go.jp/j/kakou/Q_A/index.html
せめて異なる知見があることだけでも記述していればまだ信用できますよね。
記憶を確認するために海生研HPにあるディスクロージャー資料を再見しましたところ、電力出身というのは正確ではなく、原子力関連の団体や電中研(電力やメーカーからの出向者が多いところ)でした。すみませんでした。
上記資料を見ていて今日あらためて気が付きましたが昨年6月9日時点で理事長は元水産庁次長、本給月額84万7千円だそうです。これって天下りの典型みたいに感じませんか?
更に、農林水産省からの委託費等交付額(税込)(平成21度決算ベース)1億2392万5千円とあり、大っぴらに反論しないのはこのためかと邪推してしまいました。
投稿: カキ | 2011年4月10日 (日) 10:34
>カキ 様
海生研のHPをみてみました。
不可解な研究所です。研究費は文科省が圧倒的な多額をつぎこんでいるのに、トップは農水省と経産省で牛耳っているんですね。
本来原発の排水の影響について調べる目的でつくられた研究所のようですが、農水省と経産省は放射能汚染に関する研究には表向き研究費を出さず、文科省が研究費を出しているのも不思議です。
投稿: monchan | 2011年4月10日 (日) 18:14