光合成はいつから?
シアノバクテリアは藍藻とも呼ばれますが、バクテリアであり植物ではありません。光合成を行い、20億年以上前から現代まで地球に存在しています。シアノバクテリアは地球誕生以来はじめて生物の力によって、地球環境に大きな変化を与えました。光合成によって、酸素が地球の大気中に大量に放出され、地球を温暖化していたメタンガスを酸化して、地球は低温化し全球凍結に至りました。
本やレビューなどで、シアノバクテリアによって酸素が急速に増加したのは27億年前頃と理解していましたが、それでは説明できないことがひとつありました。それは地球最初の全球凍結は22億年前頃なので、27億年前にすでに酸素が充満していたとすると間が開きすぎているということです。
Rasmussen 博士らは鉱床に混入する物質などを綿密に調査して、酸素が急速に増加したのは24.5億年前から23.2億年前であり、その後ただちに全球凍結がおこったという革命的な説を提唱しました(1)。これによって地球史のカレンダーが3億年ほどずれることになりました。そして最初の全球凍結が終結した後、真核生物が生まれたというわけです。
全球凍結時代はいわゆる氷河期よりずっと寒い時代で、ほとんどの生物は死滅したと思われますが、火山の周辺では温泉が湧き出していてわずかな生物が生き残ったのでしょう。そして数千万年の後、火山が噴出する二酸化炭素などが再び地球を温暖化して、新しい生物が繁栄することになります。そう、生命は火山によってその細い糸を35億年前からつないでくることができたのです。
今人間が引き起こしているオゾン層破壊・地球温暖化・環境汚染、そしてなによりも人間に不都合な生物を次々と絶滅させるという凶悪な所業は、地球はじまって以来の過激な実験を地球と生物に課しています。
かく言う私もハイビスカスの鉢植えにはびこるアリマキを絶滅しようと腐心する日々です・・・orz。
(1) B.Rasmussen et al. Reassessing the first appearance of eukaryotes and cyanobacteria. Nature 455, 1101-1104 (2008)
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コメント
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投稿: cheap china Jets jerseys free shipping | 2014年7月 3日 (木) 09:15