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2009年12月 4日 (金)

「キャットウォッチング-ネコ好きのための動物行動学」 by Desmond Morris

Morris1987年に平凡社から刊行されたDesmond Morris 博士の名著「キャットウォッチング-ネコ好きのための動物行動学」が今年リメーク・復刻されました。今回は岩合さんのネコ写真付きです。キャットウォッチング1と2の2巻にわかれていますが、写真は1です。私は1987年の本は読んでいなかったので、新鮮な感動がありました。今回も出版社は平凡社。訳者は羽田節子氏です。

ネコが地磁気を感知して帰巣するという記述は面白いもので、ある程度の科学的根拠もあったようですが、その後明確に証明されてはいないようです。ところが昨年 Proceedings of National Academy of Science にグーグルアースを利用した興味深い観察が報告されています。それは「放牧中の牛や休息中のシカは多くの場合、南北を向いており、地磁気を感知する能力がある」というものです。衛星写真をインターネットで閲覧できる「グーグル・アース」で、世界中の308カ所の牧場にいた牛8510頭の体の向きを分析したところ、ほぼ南北方向が統計上最も多かったという観察結果が示されました。さらに衛星写真とは別に、チェコ国内の野生のシカと雪上に残ったシカの休息跡、計約3000頭分を地上から観察した結果も同様だったそうです。こうしてみると Morris 博士の考え方を再検証してみるのも面白いかも知れません。

あとハッとしたのは、ひなたに置くとネコは盛んにグルーミングし始めるという話の中で、つばが蒸発する際に体温を奪って暑さをしのぐというのは容易に考えられましたが、彼はさらに皮膚をなめて合成されたビタミンDを摂取しているという説を述べており、これは面白いと思いました。表皮には血管が来ていないので、なめて摂食するというのは手っ取り早い方法です。その他、ある程度の科学的根拠をもって、いろいろなネコの行動が述べられているので、一応納得できるという説が多いと思いました。

うちのネコたちを見ていて、ちょっと博士の説とは違うなと思ったのは、うちのネコたちは相手の場所に座りたいときは、まずトランスグルーミングで相手の顔をなめ回し、ああわずらわしいと相手がひるんだ隙に、押しのけて場所を占拠するという作戦をとります。この非暴力的作戦が成功しないときだけ、ネコパンチとか噛みつき攻撃が開始されます。

そしてこの本の後書きをあの元外務官僚の佐藤優氏が書いていたのにはびっくり。彼は監獄でこの本を読んだそうです。この後書き(感想文)にはちょっと感動しました。

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