「キャヴェンディッシの丘と雲」 by 平井菜水
ヘンリー・キャヴェンディッシュは地球の比重を測定したり、水素を発見して、それが燃えると水になるとか、クーロンの法則を発見するなどの大科学者ですが、このアルバムのタイトルは「キャヴェンディッシの丘と雲」。何なんだろうね これは?
平井菜水は多くの人がその美声を激賞する歌手ですが、確かに非ハスキー系の澄み切った美しい声です。しかし「silhouette de reve」は何かピンときませんでした。全曲来生たかおの作曲なのですが、みんな本人が歌えばはまる感じですが、若い女の子が歌うというのはどうもしっくりこないんですよね。曲調に無理があったような気がします。薬師丸ひろ子には、若い女の子が歌うにふさわしい名曲を提供しておきながら、こちらはあまりにも地味というのが残念でした。
一方この「キャヴェンディッシの丘と雲」では、もっと自由にいろいろ歌っています。サンバ風の「3.ランチタイムに愛をこめて」などは本当に楽しそうに歌っています。またボサノバ風の「5.涙が虹にかわる町」も雰囲気が出ていて、なかなかいい感じ。ただいかんせん地味な曲なので、素質については多くの支持がありながら、ブレイクにつながりませんでした。やはり大御所林哲司(1,4,8の作曲を担当)がいまいちキャッチーなメロディーを提供できなかったことに問題があったのでしょう。ツキがなかったんですね。
とはいえ、大ヒットはしなかったのものの、美しい声でさりげないメロディーを楽しみたい時もあるので、こういうアルバムも捨てたものではありません。
You Tube:
「嵐の中から呼ぶ声に」
http://www.youtube.com/watch?v=gOafzSbk9DQ&feature=related
「満ちてくるときの向こうに」
http://www.youtube.com/watch?v=cfnOv291miw&feature=related
「キャヴェンディッシの丘と雲」by 平井菜水 VPCB-81052 VAP
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