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2009年2月25日 (水)

「印象」 by 三浦友理枝

1 すべての明かりが落とされた、総ガラス張りのリゾートホテルの窓際のステージ。真夜中の海に月影がたゆとう。誰がピアノを弾いているのだろう? 夏なのにピアノの周りだけ、ひんやりとした空気がただよう。ゆっくりと近づいてみた。かすかに音が肉感的になる。しかしかすかにだ。月明かりに照らされたその人は・・・・・三浦友理枝だった。曲はドビュッシーの「月の光」。

 

彼女は私をちらりと見て、まるでサービスしてくれるように「アラベスク」「亜麻色の乙女」「夢」と親しみ深いメロディーを奏でてくれる。しかし本番はこれからだ。まるでラヴェルの娘であるかのように、「クープランの墓」や「ラ・ヴァルス」を弾く。彼女はラヴェルを弾くために生まれてきたのか? 少なくとも彼女がベートーヴェンを弾く姿は想像できない。思う存分ラヴェルを弾いたあとのデザートはサティだ。

 

日本初のアカデミー賞受賞が騒がれている。でも日本が世界に誇れるものは、本当はあまたの素晴らしい音楽家達だ。三浦友理枝ももちろんその一人だろう。

 

「印象」piano:三浦友理枝 AVCL-25035 AVEX CLASSICS

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