シモン・ボリバル・ユース管弦楽団とドゥダメルの驚異
ベネズエラ・シモン・ボリバル・ユース管弦楽団は、カラカスを本拠地とするオケで、ホセ・アントニオ・アブレオによって1975年に設立されたそうです。ストリートで暴れていた若者を集めて作ったそうで、目的は青少年の非行防止をめざしていたらしいですが、実際これで非行が減ったようです。今日ではベネズエラには約220もの青少年オーケストラがあり、このオケはその頂点に立つものだそうです(ウィキペディアより)。
DVDにはまずカラカスの貧民街が映し出され、メンバーのインタビューがあって、楽器やバス代をオケが供給してくれるのでやっていけるなどという貧乏話が出てきます。今でもネックレスなどをつけてカラカスの街を歩くのは自殺行為のようです。
このオケの現在の指揮者はグスタボ・ドゥダメルで、なんと17才のときから音楽監督をやっているそうです。現在でもまだ20才台です。うわさはアリアCDなどで聴いていましたが、このDVDを見てぶっ飛びました。実に優雅・流麗・ロマンティックな演奏ですが、バイタリティーの噴出にまかせるところもあって、自由闊達な雰囲気がたまりません。欧米や日本のオーケストラにないものがありますねえ。フィジカルには、メンバーが体全体を駆使して演奏しています。ドゥダメルも笑顔で指揮。いいんじゃないでしょうか。
このドイツグラモフォンから出版されているDVDに収録されている演奏は、ボンでエロイカを中心として開催された演奏会です。最後のヒナステラをみると、うーん「のだめ」はこれのパクリかい? このオケのはじめての欧州遠征だったようですが、ブラボーの声がかかり、オールスタンディングで賞賛されていました。当然です。昨年日本にやってきたらしいですが、無理しても聴きにいけばよかったと後悔しました。ドゥダメルは来年からロスフィルの音楽監督を引き受けるらしいですが、一生今のシモン・ボリバル・ユースのメンバーとやっていって欲しいと思いますね。
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