宇宿允人のブラームス
宇宿允人(うすきまさと)という指揮者は現役ですが、すでに伝説の指揮者のようです。昔からときどき「かんしゃく玉」を爆発させることがあって、オケのメンバーによるボイコット事件などもおこしたようです(ウィキペディアより)。結局自前でインディーズのオーケストラを組織して、会社などの援助も仰ぎながら何十年も演奏活動を続けている超人的な指揮者です。
特に10年ほど前にオリエンタル酵母に手を引かれてからはもうだめかと思いましたが、不死鳥のようによみがえり、フロイデフィルハーモニーというオケを組織して定期的に演奏活動を行っています。聴衆の常連さんは彼を神のように崇拝しており、はじめて行くとパンフレットの内容なども異様で、引くかもしれません。しかし私が行った演奏会での印象は、実に清潔で堅実な演奏で、おどろおどろしいところなどは全くありませんでした。
しかしこのCDのブラームス交響曲第1番はすごいです。冒頭のティンパニの音からして異様な緊張感がただよい、津波のように音が押し寄せてきます。音楽のスケールの大きさが果てしなく巨大に感じられます。かといってゆるんでいるわけではなく、ビシッと決めるところは決まっていて実に熱い演奏です。無数にあるこの曲のCDの中でもトップクラスにランクされることは間違いないでしょう。昔アリアCDのラスコルさんも絶賛していたように記憶しています。
CD:宇宿允人の世界 I UM1001 1992年12月15日 東京芸術劇場大ホール・ライヴ録音
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コメント
宇宿マサトさんの演奏会を昨日(2009/9/12)はじめて見に行きました。すばらしかったです。そして、帰りにブラームス1番のCDを買って帰ったのです。すごかった。
今日になっていろいろ宇宿さんのことを調べていたらここにたどりついてみると、記事の日付が2008/9/12だったので、びっくりしてコメント残すことにしました。
投稿: よしこ | 2009年9月13日 (日) 11:01
> よしこ 様
はじめまして。コメント有難うございます。
宇宿さんは本当にすごい人ですね。どんな境遇にあっても、あきらめず頑張れと言うメッセージを感じます。
投稿: monchan | 2009年9月13日 (日) 15:05