SKミル
P教授と私はいわば戦友という間柄でしょう。昔お互い研究費がほとんどない頃に協力して研究し、国際誌に3報出版するという成果をあげました。すぐヒスをおこし激怒するという難点はありますが、なんとか慣れることは可能のようです。まあ若い頃は小悪魔などと言ってポジティブな意味もあるかもしれませんが、中年になると中悪魔ですから大変ではあります。とはいえ大変な努力家であることは認めざるを得ません。薬学の教育は4年から6年になったわけですが、だからといって教員数が1.5倍になるわけではなく、各教員の負担の拡大で大学側は乗り切ろうとしているのです。収入は50%増ですから、大学側はボロもうけってことです。
数年前に私があるウェブサイトで見つけてきたSKミルというアイテムを使って、昨日彼女の研究室でサンプルを調製してきました。このSKミルというのは優れもので、これによって凍結したサンプルを一回も融解せずに熱SDS変性(タンパク質の場合)にもっていけるので、分解産物の少ない良質なウェスタンブロットを行うことが可能です。実はいまでもブレンダーやホモジェナイザーでサンプルを調製している人達も居て、その場合ウェスタンブロットやイムノブロットのデータは、いくらプロテアーゼインヒビターを入れてみても、たいていもの悲しい結果になります。もちろんこのアイテムはRNAの調製の際にも極めて有用です。今ではフナコシなどのメジャーなディーラーでも取り扱っていて手に入れやすくなりました(<10万円)。
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