マエストロ・デプリースト最後の演奏会
マエストロ・デプリーストのお別れ演奏会に行ってきました。3月30日の演奏会を最後に彼は都響の常任指揮者を辞任します。もう72才だし、ハードワークはきついのでしょう。とはいえ、立派な仕事を残された上、のだめカンタービレに登場して人気者になったばかりなのにまことに残念です。
マエストロはフィラデルフィアの出身で、都響にもフィラデルフィアサウンドを植え付けたいと思っていたようです。実際最初のハイドンなどは、なかなかリッチでゴージャスなサウンドでした。ベートーヴェンもすごかったのですが、圧巻はラヴェル。「マ・メール・ロワ」はラヴェルの大傑作です。ピアノ版は子供用に作られた曲だそうですが、管弦楽版は強烈です。特に2曲目の「おやゆび小僧」という曲には、ジャポニスムのエッセンスわび・さびまで感じました。3曲目は中国風のにぎやかな曲。終曲もなかなか盛り上がりました。
「亡き王女のためのパヴァーヌ」はお馴染みのメロディーの美しい曲。そして最後の「ラ・ヴァルス」はラヴェルらしからぬ不気味な狂乱のワルツ。今日は都響もコンマスの矢部さん、山本さんのそろい踏みで、驚異的なアンサンブルと狂熱の盛り上がりでマエストロを歓送しました。こんなものすごいラヴェルは聴いたことがありません。聴衆も最後はオールスタンディングで大喝采でした。この演奏会は必ずCDで出版され、語り継がれることになるでしょう。
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