恐竜の絶滅と哺乳類
恐竜の絶滅と哺乳類の発展について、いままでの常識を覆すような結果が報告されています。白亜紀の最後に、メキシコ湾に巨大な隕石が落下して地球環境が激変し、恐竜を含む多くの生物が絶滅したことは定説になりつつありあます。そしてそれまで恐竜の繁栄の裏側で、ひっそりと暮らしていて目立たなかった哺乳類が適応放散し、多様化して大発展をとげたと考えられていました。
ところが最近の分子系統学的な研究(*)によると、実は哺乳類の主要な系統の多様化はすでに8500万年前の白亜紀から行われており、白亜紀末大絶滅によって恐竜がいなくなった暁新世から、急激に多様化が進んだという証拠は全くないということがわかりました。むしろ大絶滅の前後には、哺乳類の多様化も鈍化しているようです。現存のグループは始新世以降に再び活発化した多様化によって生まれてきたというわけです。
すなわち恐竜が哺乳類の繁栄を妨害していたという考え方は、少なくとも適応放散(多様化)という観点からみれば正しくないということになります。個体数の上でも、白亜紀には哺乳類も恐竜に匹敵するくらい存在したというデータもあります。とはいっても肉食恐竜のエサとしては適切でない小動物が多かったとは思いますが。
恐竜は白亜期末に絶滅したと書きましたが、鳥類は恐竜の直接の子孫なので、これも正確には正しくありません。鳥類以外の恐竜というのが正しくて、下記論文にもそのように記述してあります。
現代では哺乳類は多様化どころか、どんどん絶滅している(白亜期末大絶滅などとは比較にならないような高速で)というのが悲しい現実です。
*:Olaf R.P. Bininda-Edmonds et al: The delayed rise of present-day mammals. Nature 446, pp.507-512 (2007)
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