ボーン・アルティメイタム
ジェイソン・ボーンを演じるのはマット・デイモン。ハーバード大学出身の英才なので、まさかこんな激しいアクション映画のスターになるとは思いもよりませんでしたが、このボーン・シリーズも最初から純然たるアクション映画だったわけではありません。
「ボーン・アイデンティティー」は、ヨーロッパの美しい都市を、次々を旅行しているような映像美がありました。また恋愛映画でもありました。ユーモアもペーソスもあり、じっくりとストーリーを展開していくシナリオも好感が持てました。この監督ダグ・リーマンの映画作りの姿勢には大いに共感しました。しかし次作のスプレマシーでは監督がポール・グリーングラスに代わり、非常にアクション性が高くなって、ほとんど映像の印象が残らないB級映画になってしまいました。
今回の「ボーン・アルティメイタム」もグリーングラスの監督作品で、全くのアクション映画ですが、スプレマシーに比べるとアクション自体がかなり進化していて、アイデンティティーとは全く別の意味での面白さはありました。次から次へとアドレナリン全開のシーンが続き、五感の激しい体操という感じです。アクション映画が好きな人は見て損をしないでしょう。私もこのような映画であることは予測していたので、それなりに結構楽しめました。
連作ものは昔の「ダーティーハリー」などは傑作も多かったですが、どうも最近はアクションばかりエスカレートして、ストーリーが軽視されている傾向があります。デイモンが連作映画に出演することを「まるで売春婦のようだ」と自虐的に語るのもわかります。
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