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2007年3月 2日 (金)

発掘!あるある大事典の恥が世界に

Photo_94 すでに「発掘あるある大事典Ⅱ」のでたらめは、制作した関西テレビも認めて白日の下にさらされたわけですが、なんと純然たる国際学術雑誌である「Nature」2007年2月22日号でもとりあげられました。

これは納豆ダイエットの関連で米国の大学教授が、自分ではやったことのない実験を、あたかもやったように放送されたり、言ってもいないことを言ったように放送されたことが原因のようです。国内の問題だけならこんなことにはならなかったでしょうが、外国の大学教授まで巻き込んでしまったので、日本は世界に恥をさらすことになりました。レタスでマウスが眠った(図)というねつ造報道も、長村教授のインタビューを引用して、教授はスタッフと共に眠らなかったことを確認したのに眠ったと放送されたと書いています。

日本人はなかなかニュートラルで冷静な立場に立てない、すぐにどーっと付和雷同する軽薄さがあって、フジテレビ系列などはそういう人々向けの放送局であること、すなわち軽薄さを売り物にしているくらいですから、所詮サイエンスなどとは無縁だったということでしょう。納豆ダイエットの放送のあとで、各地のスーパーで納豆が払底してしまったというのは異常です。

このようなことになった一因として、日本では中学・高校できちんとした理科教育がなされていないという問題があります。数学などと違って、理科では○○の原理とか言われていることでも、明日にでもひっくり返る可能性があり、疑いの目を持って教師の話を聞くというのが重要なことでしょう。歴史の教科書に至っては、日本と韓国であまりに違いすぎるのですりあわせをやろうとしているくらいですから。

私たちが翻訳したジェラルド・カープの「細胞生物学」の巻頭言には、「この教科書に書いてあることを疑え」とちゃんと書いてありました。カープは学者として有名な人ではありませんが、彼の教科書はその後版を重ね、今やもっとも優れたもののひとつになっています。

このブログのトラックバックにも、ブログの性格上いろいろ健康関連のものが出ていますが、私もどれが良心的なのか判断しがたいので、明らかに怪しいもの・商売オンリーのもの以外は残してありますが、諸兄には慎重に判断してくださるようお願いします。

参照: David Cyranoski: Japanese TV show admits faking science. Nature 445, pp.804-805 (2007)

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